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医療系のお話の記事一覧
鼻炎のことばっかり続けて書いております。
年を越さないように今回で終わらせます!!
今回は赤枠で囲った部分です。
◎過敏性非感染性
・うっ血型
薬剤性鼻炎
⇒非ステロイド抗炎症剤、降圧薬、経口避妊薬などで鼻づまりが出ることがあります。
治療は原因の薬剤を中止することです。
特に血管収縮薬がはいった点鼻薬によるものを"点鼻薬性鼻炎"と呼んだりもします。
(詳しくはコチラ⇒2017年3月13日のブログ『点鼻薬について』)
心因性鼻炎
⇒ストレスが原因の鼻炎で、やはり自律神経のバランスが崩れることで血流が乱れることが原因と言われています。
一番の治療はストレスの解消でしょう。
妊娠性鼻炎
⇒妊娠によるホルモンバランスの変化によって鼻づまりを起こします。
特に妊娠中期(5か月頃~)に症状が出やすいようです。特にもともとアレルギー性鼻炎があるとさらに悪くなりやすいです。
妊娠中でも使用できるアレルギーの薬は色々ありますので、症状が強ければ我慢せず耳鼻科を受診しましょう。
内分泌性鼻炎
⇒甲状腺機能低下や亢進と鼻炎が関連していると言われていますが、正直ほとんど聞いたこともありません(^-^;
寒冷気性鼻炎
⇒冷気吸入性鼻炎や血管運動性鼻炎と似たような感じですが、体、手足に冷たい刺激が加わることによって鼻の粘膜が腫れ、鼻づまりを起こすというものです。
・乾燥型
乾燥性鼻炎
⇒特に冬は空気が乾燥することで、粘膜が過敏になっていまいます。粘膜も傷つきやすくなり、出血したり、かさぶたがつきやすくなると鼻づまりも悪化してしまいます。
◎刺激性鼻炎
物理性、化学性、放射線性鼻炎
⇒これは読んで字の如く様々な刺激によって鼻炎がでる状態です。
例えば、お仕事などで刺激の強い薬品などを扱ってる方。
放射線治療でも粘膜に炎症を起こし、鼻炎症状を起こすことがあります。
◎萎縮性鼻炎
⇒鼻の粘膜が萎縮(やせてしまう)することによって、鼻の中が乾燥し、出血しやすくんることでかさぶたがつきやすくなります。かさぶたによって鼻づまりが生じたり、嫌なにおいがすることもあり"臭鼻症"とも呼ばれます。
あまり多くない病気ですが、かさぶたがつきにくくするため鼻の乾燥予防や軟膏を塗ったりして治療します。
ちなみに"萎縮性鼻炎"とweb検索すると『豚』の病気がいっぱいでてきます(・_・;)
◎特異性肉芽種性
⇒肉芽腫(にくげしゅ)というものを伴う鼻炎。肉芽腫とは、慢性的な炎症を起こした際などに出来る肉の塊のようなものです。結核や梅毒などでもできます。
鼻の中で肉芽腫を作る病気として有名なのは"多発血管炎性肉芽腫症"(以前はウェゲナー肉芽腫症と呼ばれてました)があります。
いずれにせよ、治療に難渋する病気が隠れていることが多く、詳しく検査する必要があります。
はい、というわけでそれぞれの鼻炎の解説でした!
読めば気付かれる方もいらっしゃると思いますが、鼻炎ってだいたいが"何らかの刺激があって、鼻が調子を崩す"という感じです。
そして鼻炎で使用するお薬ってあまり多くありません。抗ヒスタミン薬(アレルギーの薬)、ステロイド点鼻薬、あと漢方薬なんかですね。
でも一番の治療法は、このブログでも何度も書いてますが、"原因をなくすこと"です。
花粉症なら花粉を浴びないこと、市販の点鼻薬が原因なら使用しないこと...
風邪をひかないこと!
これがやっぱり大事ですね(*^^*)
皆さんも年末年始風邪をひかれないようにしてください(^^)/
(これで上手くまとめたつもりです)
はい、引き続き鼻炎について書いていきますよ~( ..)φ
アレルギー性鼻炎については前回書きましたので、それ以外の鼻炎について
前回も載せましたが、鼻炎の種類ってたくさんあるんです。
(一番左の列が日本の鼻炎分類です)
この表の上の方から書いていきましょう(゜゜)
◎感染性
・急性鼻炎
⇒基本的にウィルスなどの感染によっておこる鼻炎です。つまり『鼻かぜ』ですね。
鼻が過敏になって軽い刺激でくしゃみがでることもあり、『鼻水』『鼻づまり』『くしゃみ』というアレルギー性鼻炎と同じような症状を起こします。
ウィルスの風邪は特に治療しなくても自然と治りますが、急性鼻炎から細菌が増えて副鼻腔炎を起こすこともあります。
治療はアレルギー性鼻炎と同様に抗ヒスタミン薬を使用することが多いです。
他の鼻炎でも言えることですが、お子さんでは鼻水が奥に溜まってしまい細菌が増えやすくなりますので、鼻をしっかり吸引したりして掃除してあげることも大事です。
・慢性鼻炎
⇒慢性単純性鼻炎と肥厚性鼻炎とに分けられます。
どちらも慢性的な炎症によるものです。特に肥厚性鼻炎は長引く炎症によって粘膜が腫れてしまった状態で、鼻づまりがなかなかとれない状態になります。
一度腫れあがった粘膜はなかなか薬で治すことが難しいこともあり、特に慢性副鼻腔炎を同時に起こしていたすると手術で粘膜を取り除くこともあります(粘膜下下鼻甲介切除など)。
◎過敏性非感染性
・複合型(鼻過敏症)
アレルギー性
⇒省略 前回の記事をご覧くださいm(__)m
(2018.12.17のブログ『アレルギー性鼻炎の診断とは?』)
非アレルギー性...アレルギー、炎症とも証明できない鼻炎
血管運動性鼻炎
⇒寒暖差アレルギーとも呼ばれることもあり、急な温度の変化や食事・飲酒などによってアレルギー性鼻炎と似たような症状を起こします。
激しい寒暖差によって自律神経の働きが異常を起こし鼻が過敏になっているとも言われます。
治療はアレルギー性鼻炎と同様ですが、特にステロイド点鼻薬が有効なことが多いです。
好酸球増多性鼻炎
⇒鼻水の中にアレルギーに関係する"好酸球"という細胞が増えているけど、他のアレルギー検査をしてもアレルギーの原因がはっきりしないという感じです。症状は普通のアレルギー性鼻炎と同じ感じですが、高齢者や女性に多いという話もあります。
前に書いた『局所アレルギー反応性鼻炎』と似たような感じですね。
・鼻漏型
味覚性鼻炎
⇒刺激の強い食べ物をたべると鼻水が増える。
辛い物とか食べると鼻汁増えますよね(^-^;
冷気吸入性鼻炎
⇒冷たい空気を吸った刺激で鼻水が増える。
老人性鼻炎
⇒高齢の方で、原因はわからないが透明の鼻水が大量に出る状態。
これらの鼻炎はアレルギーのお薬を使ってもなかなか鼻水が止まらないことが多いです。
点鼻薬が効いたり、漢方薬が効果があることもあります。
と、ここまでガンガン書いてきましたが...
細かく書きすぎた( ;∀;)
文章を長く書きすぎる悪い癖がなかなか治らんのです...
まだまだ長くなりそうなので、また続きは次回にm(__)m
はい、前々回に予告しておりました話題です。
『鼻炎』といっても色々な種類があるわけで...
こちら、とある論文から引っ張ってきたものです。
一番左側の列が日本の分類ですが、『鼻炎』といってもこれだけ細かく分けられています(^-^;
この中で一番有名なのが『アレルギー性鼻炎』になるわけですが...
こんなにたくさん種類がある中で耳鼻科医はどのようにアレルギー性鼻炎を診断しているのでしょう?
耳鼻科で鼻の中を見られて『アレルギー性鼻炎ですね~』っといきなり言われたことがある方、多いんじゃないでしょうか。
鼻をちらっと見ただけでわかるんかい(; ・`д・´)!?
と、ツッコミをいれたくなる気持ち、ごもっとも(^-^;
でも鼻を見ただけでわかることって多いんです。
こちら、正常の右の鼻を正面から見たところです。
そしてこれがアレルギー性鼻炎のお鼻です。
全然違いますでしょ(^^)
鼻の粘膜が腫れ、サラサラ透明な鼻水が多いのが典型的なアレルギー性鼻炎の状態です。
これだけ見た目がわかりやすいので、パッと見ただけでもほとんど診断できちゃうわけです(もちろん見ただけじゃわからない場合もありますが)。
学校健診なんかでもアレルギー性鼻炎は見つかりますもんね。
さらに、アレルギーの原因でも鼻の見た目が変わります。
ダニ・ハウスダストが主な原因の『通年性アレルギー性鼻炎』の場合
⇒鼻の粘膜は『蒼白(青白い)』で、浮腫(水膨れ)のように腫れます。
花粉が原因となる『季節性アレルギー性鼻炎』の場合
⇒鼻の粘膜は『発赤(赤い)』で、充血した感じで腫れます。
鼻を見るだけで、たくさんの情報を得ることができるわけで、しっかり鼻を見ることは診断に非常に重要なわけですが...
同じくらい重要なのが『問診』です。
どのような症状がいつでるのか?
季節によるものなのか、それとも場所によるものか、なにか他に誘因はないか?
さらに目のかゆみ、皮膚のかゆみなどの症状はないか。
これだけでもだいぶ診断が絞れます。
例えば...
毎年、2月~4月の間に鼻水、くしゃみが出る。目のかゆみもある。
となればまずスギの花粉症を考えます。
一年中、鼻水鼻づまりがあり、特にホコリっぽいところで症状が強い。
となればまずハウスダストアレルギーでしょう。
『鼻の中の見た目』『問診』
この2つでほとんどの場合は診断とアレルギーの原因まで推定できるわけです。
さらに検査を加えれば診断が確実なものとなります。
・鼻汁好酸球検査
鼻水の中にアレルギーに関連する『好酸球』という細胞が増えているか顕微鏡でみる検査
・皮膚反応検査
皮膚に傷をつけてアレルギーの原因と思われる物質をつけ、そこが腫れるかどうかでアレルギーがあるか見る検査
・血液検査
IgEというアレルギーに関連するタンパク質の量を測ります。
特異的IgE検査:様々な物質についてアレルギーの原因か調べる
非特異的IgE検査:特定の物質ではなく、IgE全体の量を調べる
この辺りがガイドラインでも勧められている検査です。
ただ、実際は鼻の見た目や問診である程度診断して、血液検査でアレルギーの原因を確認するという流れが多いと思います。
(鼻汁好酸球検査や皮膚反応検査も最近はあまり行われていないかと)
アレルギー性鼻炎診断の実際はこんな感じ。
では他の『鼻炎』は?
長くなったのでまた次回に(^_-)-☆
12月2日は熊本県地方部会という熊本の耳鼻科医が集まる勉強会に出席してきました。
その中の話題のひとつが『局所アレルギー反応性鼻炎』
Local Allergic Rhinitisを略して『LAR』。
正直この病名、耳鼻科医でもあまり聞きません。
ヨーロッパの方で研究が進んでいるそうですが、日本では論文なんかもほぼなさそう。
簡単に言うと、『明らかに症状も鼻の見た目もアレルギー性鼻炎だし、アレルギーの薬が効くんだけど、血液検査や皮膚でのアレルギー検査をしてもアレルギーの結果が出ない病気』って感じです。
アレルギーが鼻だけに起こっている状態とでもいいますか
この病気の証明の為に、鼻汁・血液のデータ、手術で摘出した鼻の粘膜のデータ、鼻に直接アレルギー物質をつけたときのデータ...
などなどなどを研究したようです。
確かに、こういった患者さんはたまに診ます。
治療自体は効果があるので、あまり問題にはならないのですが...
アレルギーの検査をしても結果が出ないので、せっかく検査した患者さんもなんだかすっきりしない気分でしょう(^-^;
ただし、実際にアレルギー性鼻炎『以外』の鼻炎って結構あるんです。
細かく話し出すとめちゃくちゃ細かい話になっちゃいますので...
今度まとめて書きます(^-^;
ちなみに、最近文章の色を結構変えるようにしたんですが、どうでしょう(@_@)?
どうしても長々と文章書いちゃう人間なので、なるべく読みやすくしようとしているのですが...
3回連続聴力検査のお話。
今回は『語音聴力検査』という検査についてです。
簡単に言うと、『言葉の聞き分けの検査』です。
こういう表を使用します。
表にあるような『ア』『キ』『シ』など単音節を聞いて正しく聞き取れるか、その正答率(語音明瞭度)を計算します。
例えば
60dBの大きさでは正答率が50%
70dBなら正答率70%
80dBで80%
90dBで75%
と言う風に音の大きさを変えて、左右別々に検査します。
この場合、最高語音明瞭度は80dBの80%となります。
簡単に言うと、この方の場合は80dBの音の大きさが一番聞き取りやすいということになります。
では、この検査は何の役に立つのか?
なんといっても『補聴器』を調整する時に重要です。
『音としては聞き取れるけど、何と言っているかわからない』
こういった訴えの患者さんは非常に多いです。
(聴覚情報処理障害(APD Auditory processing disorders)という病気もちょっと前から注目されてたりします。)
補聴器自体には『音を大きくする機能』はありますが、『音の聞き分けを良くする機能』はありません。
ではどうするか?
補聴器を使って、最も聞き分けられる大きさに音を大きくするわけです。
上に書いたような80dBの音の大きさで最も聞き分けができていれば、そこまで音を大きくすればいい。
ただし、残念なことに音をどれだけ大きくしても語音明瞭度が低い、聞き分けられない方もいます。
この場合は補聴器を使用してもあまり効果が見込めません。
(音を聞くだけなら役に立ちますが、会話などをしやすくするのは困難です)
ちなみに、この語音明瞭度が両側50%以下の場合、聴覚障害として身体障害者4級の認定を受けることができます。
そういった意味でも大事な検査。
この検査も全てを機械任せにはできないので、人手も時間もちょっとかかりますが(^-^;
前回に引き続き聴力検査のお話。
タイトルの通りなのですが、聴力検査には上手・下手があります。
音を『ピー』っと鳴らすだけだと思われがちですが、様々な知識も技術も必要な検査なのです(@_@)
特に難しいのが『マスキング』という作業です。
前回も出しました私の聴力検査結果です。
一番下に『マスキングノイズレベル』という欄があります。
(ちょっと見切れちゃってますけど(^-^;)
例えばこの場合、右の聴力が落ちています。
右の聴力検査を行う場合、右耳に大きな音を聞かせなければなりませんが、そうすると左の耳から聞こえてしまうことがあるんです。
(これをクロスヒアリングと呼びます)
その為、左耳から聞こえないようにノイズを流す必要があり、これを『マスキング』と言います。
このマスキング、大きくしすぎてもダメ、小さすぎてもダメ。
これが上手にできていないと、結果が実際よりも良く出ることが結構あります。
つまり、難聴が見逃されることがあるわけです。
それから、最近の聴力検査の機械には『自動で検査する』機能がほとんどついています。
ただ、この自動検査が時々正確に検査できてないことがあるんです(・_・;)
(メーカーには申し訳ないですが)
聴力が正常の方の検査では全く問題ないと思います。
問題なのは、難聴がある方や、検査を上手にできない場合です。
手動で検査する場合は本人に聞こえ具合を確認しながらマスキングも何度も調整して検査しますが、機械にはそんなことできません。
特にお子さんや高齢の方の場合に正確じゃない場合が多いです。
例えば突発性難聴などの急いで治療をしなくてはならない難聴の場合、こういった形で難聴が見逃されてしまうと、治療できる難聴が治療されずに放置されることになります。
最近、他の病院でこういった形で難聴が見逃されていた患者さんが何人もいました(*_*;
手動で聴力検査をすると検査の為の人員も必要になってしまうので、自動検査はありがたいのですが...
もっと良い聴力検査機械が開発されないかなぁ...
今回は聴力検査のお話。
ほとんどの皆さんが経験したことがあると思います。
『ピー』って音が鳴ったら手元のボタンを押す検査です。
こういった機械を使います。
正確には耳鼻科で行うような聴力検査は『標準純音聴力検査』と言います。
で、その結果はこちら
ちなみにこれ、私の聴力検査結果です。
昨年2月に低音障害型突発性難聴になった時のもの(^-^;
(2017年2月25日のブログ⇒『突発性難聴になった耳鼻科医日記』)
まず簡単に聴力検査結果の見方を説明します。
〇がついている線が右耳
×がついている点線が左耳の聴力(気導聴力)です。
(カラーの場合は右は赤色、左は青色になります。)
横軸に125、250、500、1000、2000、4000、8000と数字が並んでますが、これは音の高さです。
単位はHz(ヘルツ)で、数字が小さい方が"低い音"、数字が大きい方が"高い音"になります。
縦軸には-10~110まで数字が並んでいて、こちらは音の大きさになります。
単位はdB(デシベル)です。数字が大きい方が"大きな音"になります。
さらに、【 】こんな感じの印がありますね。
【 これは右耳、
】これは左耳の骨導聴力を示しています。
骨導聴力とは、骨を通じて音を感じる聴力のことです。
対して気導聴力とは空気の振動によって鼓膜が震えて音を感じる聴力です。
骨導聴力が悪くなっている場合は"感音難聴"と言います。簡単に言うと"聞こえを感じる神経自体"がダメージを受けている状態です。
(突発性難聴、加齢による難聴など)
気導聴力のみが悪くなっている場合は"伝音難聴"と言います。基本的には"聞こえを感じる神経までに"異常がある場合です。
(中耳炎など)
前置きが長くなりましたが、聴力検査の結果を読んでみます。
〇のついた線が低い音の方で落ちていますね。
右耳の低音が悪くなっているということです。
さらに【 も低音部分が落ちています。
よって右の低音部分の感音難聴です。
結果、経過などを考慮して診断は『低音障害型突発性難聴』となりました。
(その後、ちゃんと治りました(^-^;)
なぜ急に聴力検査の話をしだしたのか...
長くなったのでそれは次回(^^)/
熊本市の耳鼻咽喉科 たかむら耳鼻咽喉科
〒862-0926 熊本市東区保田窪5丁目10-26 ■診療時間 ●月~火・木~金/9:00-12:30 14:30-18:30 ●水曜日/9:00-12:30 ●土曜日/9:00-12:30 14:00-15:00 ■休診日 日曜・祝祭日
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