たかむら耳鼻咽喉科

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Posted:2019.03.15 | Category: 医療系のお話 鼻

カビの話、第2弾!

鼻のカビについてです。


鼻のカビと言えば、『副鼻腔真菌症』。

通常の『副鼻腔炎』は細菌が副鼻腔の中で増えてしまう病気ですが、『副鼻腔真菌症』ではもちろんカビが増えます。
前回耳の話でも書いたアスペルギルスやカンジダ、さらにムコールというカビが原因になります。


当院のHPの中でも少し書いてます。
鼻の悩み『副鼻腔炎』




副鼻腔真菌症はいくつかに分類されます。
大きく分けると『浸潤性』と『非浸潤性』、さらに『アレルギー性真菌性鼻副鼻腔炎』に分けられます。
さらに『浸潤性』の中で『急性浸潤性』と『慢性浸潤性』と分けられるので、計4つに分けられることになります。


ややこしいですね(^-^;


それぞれを簡単に説明します。


・急性浸潤性副鼻腔真菌症
この病気は非常に怖い病気です。
『浸潤性』というのは、副鼻腔から周りにどんどん進行していくということです。
副鼻腔の周りには骨があるので、まず骨を壊し、さらにその外の眼球や脳、血管まで影響を及ぼし、失明脳梗塞などを起こし命に関わることも多い病気です。
糖尿病の方や、ステロイド・免疫抑制剤を長期的に内服しているなど、免疫不全状態の方に多いとされます。


・慢性浸潤性副鼻腔真菌症
上と同様に副鼻腔から周囲に進行しますが、進行は比較的ゆっくりです。
しかし、やはり周囲の臓器に進行していくので、早期の治療が必要です。
急性と比べると免疫との関連は薄く、糖尿病などの疾患がない方、免疫正常の方が多いとされます。


・慢性非浸潤性副鼻腔真菌症
『非浸潤性』ということは真菌が副鼻腔の中に留まるということで、『浸潤性』のものと比べると症状も軽いです。
ゆっくりと進行するので、全然症状ないのに『頭のCTを撮影したら偶然見つかった』ということもよくあります。
鼻の中を診察しても全然異常がないこともよくあります。


・アレルギー性真菌性鼻副鼻腔炎
カビに対するアレルギー反応によって症状が起こるものです。
アレルギー性鼻炎や喘息など、もともとアレルギー疾患を持っている方に多く、ポリープを伴うことも多いです。




以上の4つに分類されます。


症状もそれぞれですが、代表的には鼻水鼻づまり頭痛鼻水に血が混じる嫌なにおいがするなどです。



診断方法について、症状や鼻の診察では普通の副鼻腔炎と区別がつきにくいことも多くあります。
レントゲンを撮影してもはっきりと『真菌症』と診断は難しいです。


特徴として普通の副鼻腔炎は左右両方に起こしていることが多いのに対して、真菌症では片方だけのことが多いので、『片方の副鼻腔炎を治療しても改善しないのでCT検査まで行ったら、真菌症の診断になった』ということもあります。


CT検査は非常に有効です。

hukubikuusinnkin01.jpg

hukubikuusinnkin02.png
矢印で示した右の上顎洞という頬の内側の副鼻腔に真菌症を認めます。
特徴としては『石灰化』と『骨の肥厚』です。


CTでは骨が白く映ります。画面の中で向かって左側が灰色の中に一部白い部分が混じっています。この白い部分が『石灰化』と呼ばれるもので、イメージとしてはカビが固まって硬くなっているような感じ。

さらにその周りの骨が右側と比べて分厚くなっているのもわかりやすいかと思います。これも真菌症で特徴的です。




治療については基本的に手術
特に浸潤性のものは手術で徹底的にカビを除去して、さらに抗真菌薬を全身投与します。

非浸潤性の場合はカビが粘膜以下に進行していないので、手術の後は抗真菌薬の全身投与は不要とされてます。

アレルギー性真菌性鼻副鼻腔炎は手術後にポリープなどが再発することも多く、ステロイドの投与も有効とされます。






ま~た長くなっちゃいました(^-^;
副鼻腔真菌症は手術での治療がメインになってしまうので、患者さんの負担も大きい病気です。しかも症状がなくても手術になったりしますので...




例えば、関係のない病気で頭部のCTを撮影した時
医『CT検査の結果ですが、脳には異常ありませんでした。』
患「ほっ(^^)」
医『しかし...』
患「(・_・;)?」
医『鼻の中にカビがいるかもしれません』
患「カビ!?」
医『手術をお勧めします』
患「手術!?」


なにも症状ないのにビックリ連発ということになりますので、医療者側もキッチリ丁寧に説明しなくちゃいけません(@_@)


次回はのどのカビについても書く予定です。

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