たかむら耳鼻咽喉科

耳・花・喉・アレルギーのクリニック 096-382-8700

もぐらタイムズ

もぐらタイムズ

熊本の耳鼻咽喉科トップ > もぐらタイムズ

2017年1月の記事一覧

Posted:2017.01.30 | Category: 雑談

なんだか昨日今日と暖かいですね!

暖かくなってくると心配なのが花粉症。熊本は2月10日頃からスギ花粉の飛散が予想されています。
しかし、すでに症状が出てきている方もおられますので、早めにお薬は持っておきましょう!
今年は去年よりも大量の花粉が飛ぶようです。

さてさて、本日から私の診察机にはこんなものが、、、

DSC_1297.JPG

これ、電子カルテの操作に使うマウスです。

いままで使っていたのは有線で使いにくかったもので、、、

決して遊び道具ではないですよ(^-^;

DSC_1296.JPG


いや~、カッコいいな~

仕事中の私の癒しですので、どうぞお許しください(+_+)

Posted:2017.01.26 | Category: 耳

先日こんなニュースがありました。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『米国耳鼻咽喉科・頭頚部外科学会(AAO-HNS)は1月3日、耳垢塞栓に関するエビデンスに基づく勧告を含む改訂ガイドラインを発表した。同日のOtolaryngology-Head and Neck Surgery誌で閲覧できる。

(中略)

耳垢は耳の奥への異物の侵入を防ぐなど耳の健康を守る役割を果たしていると同学会。
咀嚼や顎の動き、外耳道の皮膚のターンオーバーなどを経て外に排出されるのが正常なプロセスと考えられている。しかし、時にはこの自己排出プロセスがうまく機能しなくなり、耳垢が外耳道に溜まり外耳道が一部あるいは全て閉塞してしまうことがある。同学会によると、耳垢塞栓は小児の10人に1人、成人の20人に1人、高齢者や発達障害例などでは3人に1人以上に起こると試算されている。


過剰な耳掃除はしない。過剰な耳掃除は外耳道の炎症や感染の原因となり、耳垢栓塞率が高まる綿棒、ヘアピン、つまようじなどは耳を傷つけることがある。これにより外耳道裂傷、鼓膜の穿孔、耳小骨変位が生じて聴力低下、めまい、耳鳴りなどを招く恐れがある。


・イヤーキャンドルを使用しない。耳垢栓塞を除去するというエビデンスはない。


・自宅でできる耳垢栓塞の改善法は医師に相談する。耳垢を除去する方法の中には、ある種の疾患があると安全に行えないものがある。


・耳痛、耳漏、または耳からの出血は医師の診察を受ける。これらは耳垢栓塞の症状ではなく詳しい検査を必要とする。』


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『耳垢栓塞』というのは簡単に言うと耳垢が耳栓のようにつまっちゃってる状態のことです。

耳垢は自然に耳の外に出ていく仕組みになっており、耳垢が乾いたら食事をしたり、話をしたりして顎を動かすたびに耳垢が顎の動きによって外に出ていくようになっています。

それをわざわざ邪魔して詰め込んじゃってる人が多い。ということですね。

 



しかし...イヤーキャンドル??

一度患者さんから聞いたことがあるような...

 

 

調べてみると、ろうそくを耳に置いて燃やしてリラックス~(^-^☆彡 

的な感じ?
字面だけ見るとなかなか恐ろしい感じですが、実際の画像を見てもなかなか衝撃的です(*_*;

耳ろうそく.png

こんな感じ。

(モグラくんの下半身がよくわからないので、布団をかけるという誤魔化しスタイル。耳の位置もあっているのかわからん...)


『耳垢がごっそり取れる!』というコメントとともに指の先ほどもありそうな耳垢がろうそくの中に出てきている画像も載っています。


 

(それはろうそくの燃えカスじゃ?)

と普通に思ってしまいましたが、まぁ害がなくてリラックスできるならしてもいいんじゃないでしょうか。
サイトによって『耳垢』と言ったり、『耳垢を取るためのものじゃない』と言ったりバラバラだし。


先述したように耳垢は自然と出ていくものなので、どう考えても全員からそんな大きな耳垢が取れるとは思いませんが(^-^;

 


まぁいづれにしても耳の中に変なものを入れないようにしましょう!

そしてつまようじで耳かきは絶対ダメ!



パチンコ玉を入れて取れなくなった!なんて人もいましたが、もちろんダメ!
私の身内ですけどね!!

Posted:2017.01.23 | Category: 医療系のお話

今日はお熱で受診された方のほとんどがインフルエンザの状態です。
流行ってきてますね~(*_*;


先日の話ですが、
『えっ?耳鼻科でもインフルエンザ検査ってできるんですか?』

患者さんに言われてこちらもびっくりしました(*_*;

もちろんできますよ!

 

 

インフルエンザの検査って『痛い』っていうイメージありませんか?
鼻の奥をグリグリされる、あの検査です。

 

その方法について、ちょっとだけ

 鼻用鑷子.jpg

 
この道具、鼻用鑷子(びようせっし)といいます。

つまり、お鼻用のピンセットです。

 


この先の部分が、だいたい大人の鼻の深さと同じくらいになっています。

計ってみると、8cmほどです。

 inhumenbou.jpg

さてさて、インフルエンザの検査でグリグリする綿棒です。


(微妙にピントが合ってませんが(*_*;)

当院で使ってる柔らかいものです。
一般に使われている綿棒と違ってふにゃふにゃです。


検査の時はこの綿棒を鼻の一番奥の『上咽頭』まで入れ込んで粘液を採取します。

つまり、大人だと8㎝程度は綿棒を入れなくてはならないわけです。
もちろん子供だともっと浅くていいわけですが、『上咽頭』に綿棒が当たる手応えで深さは調整します。

 

ちなみに、鼻水で検査する方法もありますが、正確性に欠けるためあまり行っている病院は多くないようです。
ちゃんと綿棒を入れ込む検査と比べて半分程度しか感度がないという報告もあります。

綿棒を2~3cm入れただけだと採取されるのはやはり鼻水だけ。正確性が落ちるのは当然です。

 


つまり綿棒をちゃんと奥まで入れないと正確な結果が出ないわけです。



また、アレルギー性鼻炎がある方などは鼻の中が鼻水でいっぱいですので、その中に突っ込んでもやはり正確性に欠けます。

しっかり鼻を掃除してから検査をすることが必要なのです!

 鼻の中 入口.png


 ちなみにお鼻の中ってこんな感じに入り組んでいます。


 allergy.png


さらにアレルギー性鼻炎だとこんなに粘膜が腫れあがります。鼻水もいっぱいですね~。
(粘膜が水ぶくれのように腫れるのがアレルギー性鼻炎の特徴で、見た目と症状だけでほぼ診断できます。)



こんな中を鼻も見ずに綿棒突っ込んではいけません。鼻の粘膜なんてすぐに傷つきます。

そしてほとんどの人は『鼻中隔湾曲症』といって鼻の真ん中の仕切りが曲がっているので、広い方を選んで隙間に綿棒を入れ込んでいかなくちゃいけません。

 
ちゃんと見ながらやれば痛みも少ないし、鼻血がでることはまずありません。


ついでに、ちょっと前に聞いた話

『〇〇病院でインフルエンザの検査を受けたら鼻に綿棒を突っ込まれたまま待合室で10分以上待たされたんですが、、、』

いやいやいやいや、それはツラすぎるでしょ(・_・;)

周りから見られて恥ずかしいし...周りの患者さんもみんな同じようにされていたらしいですが...

そんな長い時間する必要はないし、異物を10分も突っ込まれてたら鼻水もドパドパ出てさらに正確性が落ちるのでは...

 

結論:インフルエンザ検査を痛くなく正確に受けるためには耳鼻科にどうぞ。

 

というちょっぴり偉そうなお話でした(^^)

Posted:2017.01.19 | Category: お薬の話 医療系のお話

『風邪と言われて他の病院で抗生剤をもらいました』

日々診察をしていて本当によく聞く言葉ですが、この言葉完全に矛盾していることがわかりますか?

 

風邪=ウィルスによる上気道感染症です。

抗生剤=細菌を倒すための薬です。

 

ウィルスと細菌は別物です。効くわけありません。前回説明したように、耐性菌を増やすだけです。
そして抗生剤による副作用の可能性を上げているだけです。

 

 

風邪を治すためのお薬は存在しません。

『風邪のお薬を作れたらノーベル賞もの』といった言い方をされるくらいです。


 

では風邪薬って?

多くはアセトアミノフェンやイブプロフェンなどの抗炎症剤(痛み止め、解熱剤)

それに鼻水を抑えるための抗ヒスタミン薬(アレルギーのお薬)

鼻づまりに効くというお薬には血管収縮薬なんかも入っているようです。

 

つまり症状を抑えているだけです。
風邪が治るのは人間の免疫力によるものです。

 

 

ちょっと話がそれますが、現在流行っている『インフルエンザ』。

言うまでもなく、インフルエンザ『ウィルス』が原因です。


『イナビル』、『リレンザ』、『タミフル』といった抗インフルエンザ薬はウィルスの増殖を防ぎ、症状が悪化しないようにする薬です。

(ラピアクタという点滴の抗インフルエンザ薬もありますが、お薬が飲めないほど重症の方にのみ使うお薬です。)




私は流石に見たことがないですが、世の中にはインフルエンザのお薬と抗生剤を必ずと言っていいほど一緒に処方する医療者がいるそうです。

明らかに細菌感染を合併している場合は同時に処方することもありますが、インフルエンザ全員に処方するのは明らかにやりすぎ。

感染の予防投与にしても本当に必要なのは、なんらかの病気で免疫力が低下して入院している方くらいでしょう。

 

 

 

すべての薬には副作用がある』これは大事なことです。

副作用がゼロの薬は存在しませんので、無駄な薬は飲まないほうが健康的です。

特に抗生剤は副作用が多い部類のお薬です。

抗生剤を過度に頼るよりも、まずは自分の体には免疫力があることを思い出しましょう。

 

 

さて、3回連続で抗生剤について書いてきましたが、いかがだったでしょう。

ネットで検索すれば膨大な情報が得られるこの時代ですから、同じような内容を書かれているサイトもたくさんあり、二番煎じ、三番煎じになるのもわかっているのですが、受診された患者さんのお薬手帳を見ていて、『え~』っと思うことが多すぎて書き始めてみました。

 

 

何も考えずに最初から強いお薬ばかり使えば、治療は簡単です。考える必要がないわけですから。
効果も『一時的には』良いでしょう。


でも特にお子さんについては、長いこれからのことを考えてお薬は使わなくちゃ!

 

モグラVS細菌.png
モグラVS細菌
...モグラって尻尾ありましたよね?

インフルエンザがどんどん増えてきていますが、今回も前回に引き続いて抗生剤の話です(*_*;

またまた今回も長い話ですよ~
でもお子さんが黄色い鼻水を垂らすことが多くて、何回も何回も病院にかかっている方は是非読んでください!


さて、今回のお話は日本鼻科学会がまとめた『急性副鼻腔炎診療ガイドライン』というものから主にデータを出しています。(なので若干古いのですが、、、)
こちらも検索すれば誰でも見ることができますので、興味のある方はご覧ください。

 

さてさて、『急性副鼻腔炎』(いわゆる蓄のう症です)という病気については当HPでも解説していますので、まずは是非こちらをご覧ください。

『副鼻腔炎』ページ




さてさてさて、前置きの長い急性副鼻腔炎についてですが、特に小児の急性副鼻腔炎の原因となる細菌は以下のようなものです。

・肺炎球菌
・インフルエンザ菌(インフルエンザウィルスではないですよ)
・黄色ブドウ球菌
・モラキセラ・カタラーリス

 

前回、急性中耳炎について書きましたが、原因となる菌は同じものが多いです。
つまり使用する抗生剤もほとんど同じになります。



まず第一に使用すべき抗生剤はペニシリン系のアモキシシリン『ワイドシリン』『パセトシン』『サワシリン』

効果がない場合や重症の時はセフェム系のセフジトレンピボキシル『メイアクト』やセフカペンピボキシル『フロモックス』など。

それでも効果がない場合、重症の場合に最終手段としてカルバペネム系『オラペネム』の出番です。


ちなみに前回もご紹介したニューキノロン系『オゼックス』という抗生剤も副鼻腔炎には有効ですが、小児に対してガイドラインの中では推奨されていません。
『小児において安易な使用は極力避けるべき』とされています。使うとしても重症の中耳炎を併発しているときなどでしょう。



そのほかに使う抗生剤として、マクロライド系のクラリスロマイシン『クラリシッド』、アジスロマイシン『ジスロマック』があります。

『クラリシッド』は肺炎球菌、インフルエンザ菌とも耐性を持っていることが多いのが現状です。よって、あまり使うことはないのですが、このお薬には粘膜を整え、痰を減らしたりする作用もあります。また、このお薬は基本的に菌を殺す(殺菌)ではなく、菌の増殖を抑えるお薬です(静菌)。そういった特徴を考えたうえで使用します。慢性副鼻腔炎やびまん性汎細気管支炎などで少量を長期間内服することもあります。


『ジスロマック』は1日、もしくは3日間のみの短期間高容量で投与するお薬で、副鼻腔炎にはかなり有効性があると報告されています。




さてさてさてさて、またもや長くなっていますが、肺炎球菌を例にして耐性菌のお話を。


肺炎球菌の中でも薬剤耐性によってさらに分類され
・PSSP(ペニシリン感性肺炎球菌)
・PISP(ペニシリン軽度耐性肺炎球菌)
・PRSP(ペニシリン耐性肺炎球菌)

となっています。こんなに細かく分類されるくらい耐性菌というのは大きな問題なんですね。


特に低年齢ほど耐性菌の割合が多く、5歳以下の副鼻腔炎で検出された肺炎球菌の7~8割(!!)がペニシリン耐性菌となっています。


なぜ耐性菌がそんなに多いのか、原因は『抗生剤の使い過ぎ』であり、また、中途半端な使用もよくありません。

細菌は抗生剤を使いすぎると進化し、その抗生剤がだんだん効かなくなっていきます。中途半端に抗生剤を使うと、抗生剤が効きにくい菌が生き残ってしまい、増殖します。それを繰り返すと完全に抗生剤が効かない菌の集団が出来上がってしまうわけです。


中途半端な抗生剤の使用、無駄な使用は菌をわざわざトレーニングしてあげているようなものです。
抗生剤の使い過ぎはよくないですが、使うときはきっちりと菌を退治してしまうことも重要!
(症状がおさまったからと言って、途中でお薬をやめないでくださいね(^-^;)



耐性菌は本当に大きな問題であり、特に有名なのがMRSA(メチシリン耐性ブドウ球菌)、や多剤耐性緑膿菌などで、ニュースでも集団感染が取り上げられたりします。

ちょっと前に日本でも『カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)』という菌が検出され話題となりました。『スーパー耐性菌』とも呼ばれ、有効な抗生剤がほぼ存在しないわけです。
『カルバペネム系』は効かなくなることがニュースになるくらい重要なお薬なわけですね。



私が総合病院に勤めていたころも『カルバペネム系』を使用するのは本当に生命にかかわるような肺炎などの重症感染症の時だけでした。
そんなお薬なのですが、『オラペネム』が出現したことで小児に簡単に使えちゃうようになったわけです。
(いや、素晴らしいお薬なんですけどね、使い方の問題です。)



そして、軽度の副鼻腔炎であれば抗生剤は必要ありません。

『急性副鼻腔炎診療ガイドライン』では軽症の副鼻腔炎では小児も成人も、まず抗生剤非投与で5日間経過観察をすることになっています。
(ちなみに急性中耳炎でも軽症の場合は抗生剤を使わずに3日経過観察です。)

そして『鼻処置を優先する』という文言が付け加えられています。

つまり軽症であれば鼻をしっかり掃除してあげるだけで治ることも多いのです。
というより副鼻腔炎発症の初期はウィルス感染が主とされていて、抗生剤使う意味がないとされています。


耳鼻科で鼻水を吸引する。自宅でも小児なら鼻吸い器を使って鼻水を吸ってあげる。それだけで十分なことも多いです。
子供に鼻をかむ練習も是非してあげてください。
なかなか上手にかめない時は連日鼻掃除に通っていただいても全く問題ありません。


また、アレルギー性鼻炎をお持ちの方は副鼻腔炎にもなりやすいですので、アレルギーの治療も重要です。


長々と呼んでいただいた方、有難うございます(^-^;


次回もう一回だけ、抗生剤関係のお話を。
風邪に抗生剤は使わないお話。さすがに最近では当然のお話ですが、やっぱりこの話は知っておいて頂きたいのです。

文章を短くまとめる才能が欲しい...

三学期も始まり、寒い日が続いています。天気予報では土曜日に雪マークが!!
体調にも転倒にもお気を付けください(+_+)



さて、題名の通り、抗生剤についてです。
久しぶりに真面目で長い文章になりますが、非常に大事なことなので、頑張って書いてみます。

抗生物質、抗生剤(抗菌薬)というのは細菌を殺したり、増えないようにするお薬です。
つまり、細菌の感染症に使うわけです。

なので、細菌感染以外には抗生剤は意味がありません

例えば、一般的に言われる『風邪』の原因の8割以上はウィルス感染です。
なので抗生剤が必要なことはあまりありません。
でも細菌感染かどうか判断に困ったり、二次的に細菌感染を起こすことが心配で抗生剤が使われていることが多いようです。



・抗生剤の種類
ペニシリン系
セフェム系
マクロライド系
ニューキノロン系
カルバペネム系
マクロライド系
などなど様々な種類があります。

DSC_1157.JPG


例えば、小児の急性中耳炎を例にします。


日本耳科学会などが作成した『小児急性中耳炎診療ガイドライン』というものがあります。基本的な治療方針はどの医院でもこのガイドラインに従っている『はず』です。
検索すれば誰でも見ることができますので、興味のある方は是非ご覧ください。


そのなかでは急性中耳炎に対する抗生剤で一番に選択するべき薬は『アモキキシシリン』というペニシリン系の抗生剤となっています。
『ワイドシリン』『パセトシン』『サワシリン』などの商品名で販売されています。



ペニシリン系はもともと体重当たりの使用量が多く、小児でも体重が増えてくると粉薬の量が多くなり飲みにくいということがありますが、『ワイドシリン』は他の薬の1/2の量で良いので、使いやすいお薬です。味も結構美味しく、私は薄いラムネ味のように感じました。
widecillin.jpg
『ワイドシリン』はこんな感じのピンク色のお薬です。

私は研修医時代に感染症に非常に詳しい先生から『抗生剤を上手に使えるかどうかはペニシリンの重要性を勉強しているかどうか』という指導を受けたことがあります。
ペニシリンは100年近く前に発見された世界初の抗生剤ですが、現在でも使用方法をしっかりと考えれば非常に効果的なお薬です。
実際、様々な感染症でペニシリンは第一に選択すべき抗生剤とされています。



2番目に選択するお薬は
『アモキシシリン・クラブラン酸』『セフジトレンピボキシル』というお薬です。
『アモキキシシリン・クラブラン酸』とは、先述したペニシリン系の『アモキキシシリン』に耐性菌にも効くような物質を加えたお薬です。
『クラバモックス』という商品名になります。



 『セフジトレンピボキシル』は『メイアクト』という商品名のセフェム系抗生剤になります。
セフェム系の抗生剤は副作用も少なく、特に中耳炎の原因で多い肺炎球菌という菌に非常に良く効きます。
ただし、『ワイドシリン』もそうですが、『メイアクト』は1日3回内服が必要なお薬なので、保育園などに通っていてお昼のお薬が飲ませられない方には使いにくくなります。


kurabamo.jpg
ちなみに『クラバモックス』はこんな感じの包装で、中身は白い粉薬です。
味はイチゴ味っぽく、後味がわずかに苦いです。


メイアクト外見.jpg
『メイアクト』はオレンジっぽい色で、味はバナナ味でちょっと後味が続く感じがあります。
(味については完全に私の個人的な感想です(^-^;)

 


これらのお薬が効かない、もしくは重症の場合は『カルバペネム系』、『ニューキノロン系』の出番となります。
カルバペネム系は商品名『オラペネム』一般名テビペネムピボキシルです。
ニューキノロン系は商品名『オゼックス』一般名トスフロキサシンです。

この2つのお薬は確かに良く効きます。効果も早いです。


両方とも味も美味しく、においも良いです。

orape.jpg
『オラペネム』は後味が若干苦いですが、


ozekkusu.jpg
『オゼックス』は後味もすっきりです。

(繰り返しますが、味は完全に私の感想です(*_*;;)
 


では『オラペネム』『オゼックス』を最初からどんどん使えばいいじゃないかという話になるのですが、ここででてくるのが、『耐性菌』というものです。

また後々詳しく書こうと思いますが、抗生剤を使いすぎると抗生剤に抵抗する菌が生まれてきます。実際に昔使っていた特にセフェム系の抗生剤で最近の中耳炎にはほとんど効かないというお薬も結構あります。


 

つまり、『オラペネム』、『オゼックス』に対する耐性菌が生まれてきて、効かなくなってしまうと次に使うお薬がなくなってしまうのです。


なので、これらの薬はなるべく使いません。中耳炎で使うときには鼓膜切開が必要な状態のことが多いです。
製薬会社もオラペネムでは『第一選択薬ではなく、重症感染症に限定して使用』という位置づけをしています。


こういったお薬が漫然と使われていないか、一度お薬手帳を見直してもいいかもしれません。

強いお薬を使えば効き目は早いし、すぐ楽になりますが、その後のことを考えてお薬は使わなくてはなりません。
特に、これから先が長いお子さんなら尚更です。

(これは本来、我々医療従事者が気を付けなくてはならないのですが、、、)



最近抗生剤の使われ方について色々考えることがあって書き始めましたが、やっぱり1回では書ききれない、、、というわけで何回かに分けて書いていきます。

これからも副鼻腔炎に使用する抗生剤や、細菌の種類や、耐性菌については書いてみようかと思います。

Posted:2017.01.05 | Category: お知らせ

あっという間にお正月も過ぎ、本日より診療開始いたしました!

今年も当院は患者さんのためになる新しい治療、検査、システムなど頑張って取り入れていきます!
(特に新しい検査については、すでに検討中で来月までには発表できるかと思います。)

目指すは『お待たせしない、快適な院内』『確実な診断』『ひとりひとりに合った治療』です!


今年1年もたかむら耳鼻咽喉科医院をスタッフ共々よろしくお願いいたします。


sinnenmogura.png
今年もこんな絵をたくさん載せることになりそうな、、、

熊本市耳鼻咽喉科 たかむら耳鼻咽喉科
〒862-0926 熊本市東区保田窪5丁目10-26  ■診療時間 ●月~火・木~金/9:00-12:30 14:30-18:30 ●水曜日/9:00-12:30 ●土曜日/9:00-12:30 14:00-15:00  ■休診日 日曜・祝祭日