たかむら耳鼻咽喉科

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医療系のお話の記事一覧

Posted:2025.07.11 | Category: お薬の話 医療系のお話 鼻

最近ブログが雑談ばかりだったので、久しぶりに医学的なことを書きたいと思います。


題名の通り『舌下免疫療法』について
(舌下免疫療法の基本的なことについては⇒こちら


最近『他の病院で舌下免疫療法を勧められたけど、本当にした方がいいのか?』という質問を受けることが何度もありました。
特に子供さんが治療を勧められて親御さんから相談されることが多いのですが、『舌下免疫療法をした方が良いかどうか』は単純にメリットがデメリットよりも大きいかどうかですね。


一番のメリットは当然ですが『アレルギー症状がでなくなる』ということですね。
あとはアレルギー性鼻炎に気管支喘息やアトピー性皮膚炎も併発している場合はそちらにもいい影響がでる可能性があります。


じゃあデメリットは?
一つは副作用が出る可能性。
アナフィラキシーまで起こす可能性は極々わずかですが、口の中が腫れたり、痒くなったりするのはよくありますし、全身に皮疹が出た子もいました。あと珍しいところでは内服する度に腹痛が出た子もいます。


次のデメリットは治療期間が長いということ。
目安としては3~5年が目標になります。当院では最初は1週間、その後は月に1回受診していただいてます。
県によって微妙に違いがあるようですが、基本的には毎月受診が勧められています


もう一つ、効果が必ず出る治療ではないということ。
どんな治療でも効果が出ないことはありますが、舌下免疫療法の場合2割程度は効果が出ないと言われています。
しかも治療開始してすぐに効果がでるわけでもないので、なかなか難しいのですが効果があるかどうかの判定は非常に大事です。



はい、ここまでは一般的な話。これからが今回の本題です。
ここ最近相談された例をいくつか


①アレルギーの症状があまりないのに舌下免疫療法を勧められた。
アレルギーの検査をしたらダニアレルギーがあることがわかり勧められたそうですが、メリットがあまりなさそうですね。
気管支喘息やアトピーなどアレルギー性鼻炎以外のアレルギー疾患もありませんでした。
舌下免疫療法をすることで新しいアレルギーになることを予防できる?という意見もあるようですが、現時点であまりアレルギーで困ってもない子を治療するまでのメリットがあるか疑問です。


②治療を続けているが効果が感じられない。でも続けるように言われている。
上で書いたように治療を続けても2割程度は効果がない治療です。
1~2年治療を行って効果がほとんどない場合はその後も効果がでる可能性が低いので、私の場合はその時点で中止を相談することもあります。

相談された方は全然効果がないまま既に5年以上継続してました(*_*;
これ以上続けても効果が出る可能性は非常に低いと説明すると、ガックリされてました。そりゃそうだ。
5年以上毎月なので60回以上受診し、費用も時間もかかったでしょう。



③とある小児科で舌下免疫療法は本人が受診する必要がない。親が薬を取りに来るだけでいいと言われた。


これは...どう考えてもア ウ ト
医師法違反になります。(50万以下の罰金)

実際相談された子は何か月も受診なしで薬をもらい続けていたようです。
オンライン診療や例外もありますが、原則無診察での処方は禁止です。

舌下免疫療法ってお薬を続けていくだけではあるんですが、副作用がないか、アレルギーのお薬の使用状況はどうか、調子が良ければ薬を減らして効果がでてるか確認してみるか。などなど色々考えながら相談しながら経過をみる必要があります。





なんだか最近小児で開始したという子が多くて書いてみましたが、非常に治療期間が長く、親御さんも大変なことが多い治療です。
治療をするかどうか急いで判断する必要はないので、慎重に考えましょう(^^)/

Posted:2025.03.29 | Category: 医療系のお話

sakura202501.png

(日本気象協会HPより)

ついこの間開花したと思ったらあっという間に満開ですね(^^)

と、いうことは...


hinoki202501.png
(日本気象協会HPより)

ヒノキの花粉もピークを迎えております(^-^;


スギ花粉と比べて咳や咽頭痛などの症状が起こりやすいとされており、やはり今週はそのような症状の患者さんは多かったです。

特に小学校低学年くらいまでの子どもで花粉症の診断になった子が今年は多い気が...
花粉症の低年齢化は以前から言われておりますが、どうしても暖かくなって外で遊ぶことも増えてるでしょうし、その時にマスクしたりなんて難しいですよね。

保育園や学校でも花粉症があるお子さんに関してはこの時期は室内で遊ぶように指導する...っていうのはやりすぎ?
『子どもは外で遊ぶのが健康的』というイメージもありますが、鼻が完全につまって咳き込んでるようなお子さんを見るとそんな取り組みも考えていいんじゃないかと考える今日この頃です(-_-)



今週当たりから花粉症で混雑していた待合室も少し余裕が出てきました。
ちょこちょこインフルBやコロナも出ていますが、少し落ち着いてきた感じですね。

それではまた(^^)/

Posted:2025.01.29 | Category: 医療系のお話

先週あたりからポツポツ花粉症の症状が出始めた方が受診されています。

先週は気温も高く、少しずつ花粉が飛び始めたのかと思います。
東京では既に1月8日に飛散開始と発表され、これは調査開始以来最も早いようです。

ただ、今週になってからはまた気温が下がり、熊本では雪の予報が出ている場所もチラホラありまだ本格的な飛散はしばらく先になるのではと思っています。

しかし、以前から書いているように花粉症の症状が強くなってからでは薬の効果も十分発揮されませんので、花粉症をお持ちの方は早めにお薬を準備しましょう。


今年は花粉の飛散量も多いと予想されていますし...

kahun2025yosou.png

(日本気象協会HPより)

本格的に飛散する時期は病院も混雑しますし(^^;)

今もまだインフル、コロナで多少混雑してますが、年末年始よりはだいぶ緩和してきました。

ご準備はお早めに!

Posted:2024.10.04 | Category: 医療系のお話

今回はしっかり医療系の真面目な話です。

最近よく聞く『マイコプラズマ』。なんだか流行しているとニュースでも話題になってますね。
当院でも最近時々診断します。


ただ、熊本ではそこまで流行ってないようで

maiko202401.png
(NHK感染症データと医療・健康情報より)

感染状況では全国44位。
爆発的な流行までは至ってないようです。


・そもそもマイコプラズマとは?
肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae)という細菌が病原体です。
一般的な風邪はほぼウイルスが原因ですが、マイコプラズマは細菌というのもポイントですね。
そして名前のまんまですが、肺炎の原因となることがあります。

以前はオリンピックの年に流行すると言われていましたが、最近はその法則は崩れているようで時折流行します。
好発年齢は6~12歳の子どもと言われており、患者の8割が15歳以下とされていますが、大人でも感染することはあります。


・症状は?
マイコプラズマに感染すると2~3週間という長い潜伏期間のあとに発症します。
典型的な症状は発熱、倦怠感、咳などです。特に咳が長く続くことが多いのが特徴と言われていますが、普通の風邪でも咳が長引くことはありますので症状だけで診断することは困難です。

症状にはもちろん個人差があり、軽い咳などの症状だけで終わることもあります。
肺炎まで起こしてしまうのは5%以下と言われています。

・診断は?
一般のクリニックではマイコプラズマの抗原検査を行うことが多いと思います。検査キットがあるのでのどを綿棒で擦って検査します。15分ほどで結果が出る便利な検査ですが、やや感度が低いという弱点があります。
血液検査で調べる方法やLAMP法という核酸を検出する方法もありますが、こちらは時間がかかるという弱点があります。

症状や経過、身体所見、検査所見、周囲の流行状況なども加味して診断をしていくことになります。


・治療は?
マイコプラズマは『ウイルス』ではなく『細菌』なので抗菌薬が効きます。ただ、一般的な細菌とは違い『細胞壁』という構造がありません。なので『細胞壁』とターゲットにするβラクタム系抗菌薬は効果がありません。
βラクタム系抗菌薬はペニシリン(ワイドシリン、サワシリンなど)、セフェム系(メイアクト、フロモックスなど)といったものです。

治療薬の第一選択は『マクロライド系』と呼ばれる抗菌薬とされています。
クラリスロマイシン、エリスロマイシン、アジスロマイシンなどがこれに当たります。


ただ、すっごくにがいんです...

もちろん、錠剤やカプセルなら問題ないのですが前述したようにマイコプラズマは子供に多い病気です。
粉薬になるとめっちゃにがいです。

一応、コーディングして苦みを感じにくいようにしているようですが、大人が飲んでもかなりキツい苦味なので子どもが処方されたけど飲めなかったという話は珍しくありません。


甘味のあるアイスやココア、練乳などと一緒に飲むと苦味がやわらいで飲みやすいようです。
逆に酸味のあるような柑橘系のジュース、ヨーグルトなどは更に苦味を強めてしまうので避けた方が良いと思います。

また、マクロライド系は耐性化が進んでおり、2012年の日本国内の報告ではなんと9割のマイコプラズマがマクロライド耐性を持っていたという報告もあります。その後は耐性率がやや低下し2019~2020年では2~3割程度だったようです。

ガイドラインでは今でも第一選択はマクロライド系抗菌薬となっています。
2日以上経過して改善がなければニューキノロン系(トスフロキサシンなど)やテトラサイクリン(ミノマイシンなど)に変更します。(ただし、ミノマイシンは8歳以下は禁忌となっています。)



ここまで治療について書いてきましたが、『マイコプラズマは絶対に抗菌薬が必要な病気ではない』ということも重要です。
マイコプラズマは自然治癒することが多いと言われており、肺炎や気管支炎の様な症状がなければ治療は不要という意見もあります。


・予防について
マイコプラズマは接触感染、飛沫感染で広がります。
予防には基本的な手洗い、うがいの他、感染者との接触を避けることも大事でしょう。




以上、長々とマイコプラズマについて書いてみました。
マイコプラズマが流行しているとはいってもインフルエンザや新型コロナような爆発的な流行を起こすことはないと思われます。


久しぶりの真面目な長文でした。
なんだかインフルエンザも少しずつでてきているという不穏な噂もありますが、皆さんお気をつけて(^^)/

Posted:2024.06.28 | Category: こどもの病気 医療系のお話

『中耳炎でプールに入っていいのか?』

毎年この時期に聞かれることが多いですね。

以前にブログで書いたことがありました。すでに7年前(^^;)
2017年7月26日『プールと中耳炎』


リンク先にだいたい書いてますので、よかったら一度お読みください。

基本的に中耳炎だけが原因でプールを禁止することはあまり多くないです。


ただ、最近は咳や鼻水が少しでも出ていたらプールは禁止の幼稚園もあるとか...厳しい。
絶対に間違っているとは思いませんが、プールに入れない子がめちゃくちゃ多そうですね。

アレルギー性鼻炎や喘息持ちの子もダメなんだろうか...



話は変わりますが、最近明らかに新型コロナの患者さんが増えてきました。
今週はほぼ毎日2ケタ診断している感じです。


考えてみると去年もこの時期くらいから増えてきてましたね。
2023年7月9日『コロナ激増?』

ちょうどその頃に副院長が産休に入り1人で頑張っていた記憶があります(^^;)


そういえば一昨年もこの時期増えてなかったっけ?
2022年7月15日『第7波の現状』

一昨年は本当に急激に流行が始まって、コロナだけで毎日40~50人くらい診察して保健所に報告して、帰宅するのは子供が寝静まった後という厳しい日々でした。



これからも毎年のように夏にはコロナが流行するようになるのか。
夏かぜの一つのように数えられる将来もあるかも?


いずれにせよ、これからしばらくは流行すると思われますので皆さんご注意くださいm(__)m

Posted:2024.06.03 | Category: 医療系のお話

『お知らせ』の方でも書きましたが、6月も学校健診が2件あります。

学校健診で問題があるとプリントをもらって病院を受診するように指示があります。
最近そのプリントを持って受診される方が多いのですが、一番多いのは『アレルギー性鼻炎』。その次は『耳垢』。
その他『副鼻腔炎』『扁桃肥大』『中耳炎』などなど...


その中には『全然鼻水も鼻づまりもないのにアレルギー性鼻炎と言われた』という方も結構います。
診察しても確かに鼻水も鼻づまりもない。もちろん治療も必要ない。
ただ、確かにアレルギー性鼻炎ではありそう(*_*;


この辺が学校健診の難しいところなのですが、健診の日だけ調子が悪かった可能性もあるわけです。


健診で大事なのは治療が必要な病気が隠れてないか見つけることで、つまりスクリーニングです。

ただし、健診だと詳しく問診することは難しいので、疑わしいときは指摘して病院を受診するようにします。
なのでどうしても過剰になりやすい側面があります。

最終的には診察する医師の裁量次第なんですが。。。


昔は患者数を増やすために特に問題なくても『アレルギー性鼻炎』と診断して病院を受診させていた...という噂を聞いたことはありますが、今時そんなことをしてる医師はいないと思い...たい。


というわけで(?)
みなさん学校からプリントを貰ったら、ちゃんと病院を受診しましょう(^^)

Posted:2024.03.28 | Category: こどもの病気 医療系のお話

インフル、コロナの流行がだいぶ落ち着いてきた今日この頃ですが...

なぜか溶連菌感染が非常に多いです。
最近1~2週間で30~40人くらい診断したと思います。


kansen2024.3.png
(熊本市HPより)

熊本市全体で凄く流行しているというわけではなさそうです。


溶連菌自体は診断さえできれば重症化することは多くないし、薬をちゃんと飲めば24時間で感染力も低下するのでインフル、コロナよりも制限は短いです。
ただし、やはり家族内で流行するケースが非常に多く、『子供の病気』というイメージがあるかもしれませんが大人も注意が必要です。


そして最近は多すぎて検査キットが不足気味(^^;)
まぁ溶連菌はノドの見た目だけで判断できる場合も結構あるので、診断に困ることはあんまりないはずです。

もちろんちゃんとノドをみないとそれじゃ診断できませんけどね(^^;)


溶連菌と診断されれば基本的にはペニシリン系抗菌薬10日間もしくはセフェム系7日間です。症状が良くなってもしっかり最後まで飲み切ってください。



話は変わりますが、熊本で3月26日に桜の開花が観測されたそうです。

桜の開花と言えばこのブログでも何度も書いてますが、ヒノキ花粉が飛散する合図のように言われています。
例年であれば5月の連休くらいまでは飛散が続くはずです。

スギ、ヒノキ花粉症をお持ちの方はもうしばらく治療の継続と花粉対策を頑張りましょう(^^)

20240329_130552.JPG

桜ではないですが、当院の駐車場でもいくつか花が咲きました!

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