たかむら耳鼻咽喉科

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耳の記事一覧

Posted:2019.11.08 | Category: 耳 雑談

先日、テレビを観ていた時のこと。

歴史上の人物を『ネコ』に置き換えて解説する番組なのですが、子どもと一緒にちょこちょこ観てます。


その中で注目のフレーズ



江戸時代には、耳垢を取る職業があった!
(ただしネコは耳垢はほとんど溜まらないというオチつき)



へ~。

どうやら『耳垢取』という職業があったそうです。そのままですな(@_@)


『耳垢取ろう取ろう』『耳垢取り~』という掛け声を上げながら町を巡回するようなこともあったそうな。

やってみようかな





そういえば耳掃除っていつからするようになったんでしょう?


調べてみると、どうやらしっかりとした耳かきの日本で資料が残っているのは江戸時代からのようですね。


それにしても耳掃除が江戸時代からすでにビジネスとして確立していたとは。

江戸時代から耳掃除の気持ちよさに気付いてしまっていたわけですね。

現代でも『耳掃除屋さん(?)』はありますが、調べてみると結構なお値段するんですね(^-^;
だいたい耳毛剃りとかマッサージも一緒にされているようです。



一度どんなものか体験してみたいような気もするけど...なぜか行ったら負け(?)のような気もする(*_*;

Posted:2019.08.07 | Category: 医療系のお話 耳

今日は8月7日『鼻の日』

毎年鼻についての話題を書いてますが、鼻の目新しいお話もないので耳の話です(^-^;


8月1日に厚生労働省から新薬の承認されたお薬のニュースを発見。


なんと、鼓膜穿孔の治療薬


鼓膜穿孔、つまり鼓膜に穴が開いてしまってる状態ですね。
例えば中耳炎に対する鼓膜切開や鼓膜チューブを入れた後、または単純に耳かきなどを奥に入れすぎて鼓膜を突いてしまって穴があいたり。
鼓膜の穴は自然と塞がることが多いのですが、稀に穴が残って塞がらないことがあります。
(穴の大きさにもよりますが)

そこまで大きな穴じゃなければ聴力への影響も大きくないのですが、鼓膜の穴から細菌などが入り込めるので耳漏(耳だれ)を繰り返すことがあります。


このような穴が残っている状態を『慢性中耳炎』と呼びます。

そして、この穴を塞ぐために手術をする場合は、耳の後ろを切って側頭筋膜というものを採取して使ったり、人工真皮のようなものを使っていました。




このニュースを発見した時、『おぉっ!』と期待して調べてみたのですが...


このお薬、トラフェルミンというヒト塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)と呼ばれるものです。

簡単に言うと、細胞や血管の修復を促すような作用があり、今までも褥瘡や皮膚の潰瘍などにスプレーで使用されていました。


で、この作用を鼓膜にも使おうってことですね。
どうやらゼラチンスポンジが同封されていて、それに浸して穿孔がある部分につけるようです。
(まだ正式には商品化されていないので、正確かはわかりません)




ん~こういう治療法って結構前から学会とかで聞いたことあるな...(゜゜)

って調べてみるとやっぱり同じ成分の薬を使って治療をしている論文は10年以上前からありますね。
有効性が確認され、商品化の要望も多かったのでしょう。


もちろん、商品化されれば簡便に使えるようになるので、非常にありがたい。



とりあえず、正式な承認と詳細を期待して待ちます(^^)

Posted:2019.05.30 | Category: こどもの病気 医療系のお話 耳

DSC_3119.JPG

先日とある医学系の冊子を読んでいた時、これを発見。

ミルク性中耳炎』ってあまり一般的な名前ではないと思いますが、説明してみます。

簡単に言うと、ミルクを飲むときに体勢によって耳管という鼻と耳をつなぐ管を通して中耳にミルクが入ってしまい、中耳炎を起こすというものです。

 
耳管と中耳炎について当院HPの中耳炎のページに図解もありますので、ご参照ください。
『中耳炎のページへ』


特に寝た状態(横抱き)でミルクを飲ませると、角度によって耳管の方向にミルクが流れやすくなるというわけです。

mimi_jikan02.jpg
縦抱きの状態



mimi_jikan03.jpg
横抱きの状態。
確かに耳の方に流れていっちゃいそうですね。

頭の位置によって起こる中耳炎ということで、『頭位性中耳炎』とも呼ばれます。



しかし、ここで一つ疑問点。


中耳炎で耳鼻科を受診した時に
『鼓膜の奥にミルクが溜まって中耳炎を起こしてます』
なんて言われたことがある人ってあまりいないのではないでしょうか?


いくつか論文も調べてみましたが、横向きでミルクを飲んでも中耳炎は増加しないという報告もあります。


結論を言っちゃうと、ミルクを飲むときの体勢よりも飲んだ後の逆流の方が問題のようです。
小さな子は胃の内容物が逆流しやすく(胃食道逆流)、その逆流したものが中耳炎の原因となるわけです。

実際に中耳炎で鼓膜切開をして、中を調べると胃酸の成分が認められたという報告もあります。


なのでミルクを飲んだ後にはすぐに横にせずに、しっかりゲップをさせることは大事だと思います。




ちなみに、このミルク性中耳炎の予防の為、縦抱きでもミルクを飲ませやすいように角度を変えたような哺乳瓶があります。

耳鼻科の学会の展示にも出店していて、たしか耳鼻科医が監修したとかいう宣伝文句でした。



そして私もまんまと購入して使用しました(^-^;
哺乳瓶によって中耳炎が完全に防げるわけではないのですが、デザインも可愛く、角度がついていて親がミルクをあげるのが楽だったので良かったです(^^)

Posted:2019.03.11 | Category: 医療系のお話 耳

まだまだ花粉症の時期ですが、違うお話を。

題名通り『カビ』の話です。
あの食べ物に生えてくる『カビ』です。
かびるんるんの『カビ』です。アンパンマンの力が出なくなっちゃうやつです((+_+))


耳鼻咽喉科ではカビと関わることが多いのです。
『耳』『鼻』『のど』全部カビが出てくることがあります。

医学的には『真菌症』と言います。

特に多い病気についてそれぞれ説明していきましょう。







・『耳のカビ』


最も多いのは耳の中にカビが生える『外耳道真菌症』です。
特に耳掃除のし過ぎで耳の穴を傷つけ、そこにカビがついてしまうことが多いです。
また、抗生剤やステロイドを使用した後や、耳の手術後、糖尿病などがあるとカビはつきやすくなります。

症状としては痒みが強いことが多く、耳の痛みや耳だれが出ることもあります。


gaijidousinkin01.png

耳の中を見ると、こんな感じで白いポワポワしたものや、黒いカビを発見できます。
耳だれが多いとこんな感じに見えないこともあり、菌の検査で検出されてわかることもあります。
原因となる真菌で多いのはアスペルギルスカンジダと呼ばれる真菌です。



治療で最も大事なことは耳の中のカビをしっかり掃除することです。
ただし、これは自分でしないでくださいm(__)m
耳鼻科医が顕微鏡を見ながらしっかり掃除することが重要です。しっかり掃除した後に抗真菌薬を耳に入れたり、塗るのが一般的です。



抗真菌薬というのはもちろんカビを退治するお薬です。
細菌に対する抗生剤みたいなものですね。
抗真菌薬にも飲み薬があるのですが、外耳道真菌症に使うことはあまりありません。



耳の真菌症の多くは耳の穴の皮膚だけに留まります。
鼓膜に穴をあけて、耳の奥まで侵入していくようなことはほとんどありません。
皮膚よりも深いところまで真菌が入り込んでいくことも稀なので、塗り薬で十分なことがほとんどなのです。




というわけで、やっぱり耳掃除のし過ぎには注意が必要です。

耳⇒鼻⇒のど という感じでカビの話を続けていきます(^^)/

Posted:2018.11.29 | Category: 医療系のお話 耳

3回連続聴力検査のお話。

今回は語音聴力検査という検査についてです。


簡単に言うと、『言葉の聞き分けの検査』です。

DSC_2817.JPG
こういう表を使用します。

表にあるような『ア』『キ』『シ』など単音節を聞いて正しく聞き取れるか、その正答率(語音明瞭度)を計算します。


例えば
60dBの大きさでは正答率が50%
70dBなら正答率70%
80dBで80%
90dBで75%


と言う風に音の大きさを変えて、左右別々に検査します。
この場合、最高語音明瞭度は80dBの80%となります。


簡単に言うと、この方の場合は80dBの音の大きさが一番聞き取りやすいということになります。




では、この検査は何の役に立つのか?



なんといっても『補聴器』を調整する時に重要です。




音としては聞き取れるけど、何と言っているかわからない
こういった訴えの患者さんは非常に多いです。
(聴覚情報処理障害(APD Auditory processing disorders)という病気もちょっと前から注目されてたりします。)




補聴器自体には『音を大きくする機能』はありますが、『音の聞き分けを良くする機能』はありません


ではどうするか?



補聴器を使って、最も聞き分けられる大きさに音を大きくするわけです。



上に書いたような80dBの音の大きさで最も聞き分けができていれば、そこまで音を大きくすればいい。



ただし、残念なことに音をどれだけ大きくしても語音明瞭度が低い、聞き分けられない方もいます。
この場合は補聴器を使用してもあまり効果が見込めません
(音を聞くだけなら役に立ちますが、会話などをしやすくするのは困難です)




ちなみに、この語音明瞭度が両側50%以下の場合、聴覚障害として身体障害者4級の認定を受けることができます。




そういった意味でも大事な検査。
この検査も全てを機械任せにはできないので、人手も時間もちょっとかかりますが(^-^;

Posted:2018.11.24 | Category: 医療系のお話 耳

前回に引き続き聴力検査のお話。


タイトルの通りなのですが、聴力検査には上手・下手があります
音を『ピー』っと鳴らすだけだと思われがちですが、様々な知識も技術も必要な検査なのです(@_@)


特に難しいのが『マスキング』という作業です。

myaudio01.pngのサムネイル画像
前回も出しました私の聴力検査結果です。
一番下に『マスキングノイズレベル』という欄があります。
(ちょっと見切れちゃってますけど(^-^;)



例えばこの場合、右の聴力が落ちています。

右の聴力検査を行う場合、右耳に大きな音を聞かせなければなりませんが、そうすると左の耳から聞こえてしまうことがあるんです。
(これをクロスヒアリングと呼びます)
その為、左耳から聞こえないようにノイズを流す必要があり、これを『マスキング』と言います。




このマスキング、大きくしすぎてもダメ、小さすぎてもダメ。

これが上手にできていないと、結果が実際よりも良く出ることが結構あります。
つまり、難聴が見逃されることがあるわけです。



それから、最近の聴力検査の機械には『自動で検査する』機能がほとんどついています。
ただ、この自動検査が時々正確に検査できてないことがあるんです(・_・;)
(メーカーには申し訳ないですが)



聴力が正常の方の検査では全く問題ないと思います。
問題なのは、難聴がある方や、検査を上手にできない場合です。



手動で検査する場合は本人に聞こえ具合を確認しながらマスキングも何度も調整して検査しますが、機械にはそんなことできません。
特にお子さんや高齢の方の場合に正確じゃない場合が多いです。



例えば突発性難聴などの急いで治療をしなくてはならない難聴の場合、こういった形で難聴が見逃されてしまうと、治療できる難聴が治療されずに放置されることになります。





最近、他の病院でこういった形で難聴が見逃されていた患者さんが何人もいました(*_*;



手動で聴力検査をすると検査の為の人員も必要になってしまうので、自動検査はありがたいのですが...
もっと良い聴力検査機械が開発されないかなぁ...

Posted:2018.11.19 | Category: 医療系のお話 耳

今回は聴力検査のお話。

ほとんどの皆さんが経験したことがあると思います。
『ピー』って音が鳴ったら手元のボタンを押す検査です。


audiometer01.png
こういった機械を使います。
正確には耳鼻科で行うような聴力検査は『標準純音聴力検査』と言います。


で、その結果はこちら

myaudio01.png

ちなみにこれ、私の聴力検査結果です
昨年2月に低音障害型突発性難聴になった時のもの(^-^;
(2017年2月25日のブログ⇒『突発性難聴になった耳鼻科医日記』



まず簡単に聴力検査結果の見方を説明します。
〇がついている線が右耳
×がついている点線が左耳の聴力(気導聴力)です。
(カラーの場合は右は赤色、左は青色になります。)



横軸に125、250、500、1000、2000、4000、8000と数字が並んでますが、これは音の高さです。
単位はHz(ヘルツ)で、数字が小さい方が"低い音"、数字が大きい方が"高い音"になります。



縦軸には-10~110まで数字が並んでいて、こちらは音の大きさになります。
単位はdB(デシベル)です。数字が大きい方が"大きな音"になります。



さらに、【 】こんな感じの印がありますね。
【 これは右耳、
】これは左耳の骨導聴力を示しています。


骨導聴力とは骨を通じて音を感じる聴力のことです。
対して気導聴力とは空気の振動によって鼓膜が震えて音を感じる聴力です。




骨導聴力が悪くなっている場合は"感音難聴"と言います。簡単に言うと"聞こえを感じる神経自体"がダメージを受けている状態です。
(突発性難聴、加齢による難聴など)


気導聴力のみが悪くなっている場合は"伝音難聴"と言います。基本的には"聞こえを感じる神経までに"異常がある場合です。
(中耳炎など)




前置きが長くなりましたが、聴力検査の結果を読んでみます。

myaudio01.pngのサムネイル画像
〇のついた線が低い音の方で落ちていますね。
右耳の低音が悪くなっているということです。


さらに【 も低音部分が落ちています。
よって右の低音部分の感音難聴です。



結果、経過などを考慮して診断は『低音障害型突発性難聴』となりました。
(その後、ちゃんと治りました(^-^;)






なぜ急に聴力検査の話をしだしたのか...




長くなったのでそれは次回(^^)/

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