たかむら耳鼻咽喉科

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耳の記事一覧

Posted:2017.01.26 | Category: 耳

先日こんなニュースがありました。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『米国耳鼻咽喉科・頭頚部外科学会(AAO-HNS)は1月3日、耳垢塞栓に関するエビデンスに基づく勧告を含む改訂ガイドラインを発表した。同日のOtolaryngology-Head and Neck Surgery誌で閲覧できる。

(中略)

耳垢は耳の奥への異物の侵入を防ぐなど耳の健康を守る役割を果たしていると同学会。
咀嚼や顎の動き、外耳道の皮膚のターンオーバーなどを経て外に排出されるのが正常なプロセスと考えられている。しかし、時にはこの自己排出プロセスがうまく機能しなくなり、耳垢が外耳道に溜まり外耳道が一部あるいは全て閉塞してしまうことがある。同学会によると、耳垢塞栓は小児の10人に1人、成人の20人に1人、高齢者や発達障害例などでは3人に1人以上に起こると試算されている。


過剰な耳掃除はしない。過剰な耳掃除は外耳道の炎症や感染の原因となり、耳垢栓塞率が高まる綿棒、ヘアピン、つまようじなどは耳を傷つけることがある。これにより外耳道裂傷、鼓膜の穿孔、耳小骨変位が生じて聴力低下、めまい、耳鳴りなどを招く恐れがある。


・イヤーキャンドルを使用しない。耳垢栓塞を除去するというエビデンスはない。


・自宅でできる耳垢栓塞の改善法は医師に相談する。耳垢を除去する方法の中には、ある種の疾患があると安全に行えないものがある。


・耳痛、耳漏、または耳からの出血は医師の診察を受ける。これらは耳垢栓塞の症状ではなく詳しい検査を必要とする。』


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『耳垢栓塞』というのは簡単に言うと耳垢が耳栓のようにつまっちゃってる状態のことです。

耳垢は自然に耳の外に出ていく仕組みになっており、耳垢が乾いたら食事をしたり、話をしたりして顎を動かすたびに耳垢が顎の動きによって外に出ていくようになっています。

それをわざわざ邪魔して詰め込んじゃってる人が多い。ということですね。

 



しかし...イヤーキャンドル??

一度患者さんから聞いたことがあるような...

 

 

調べてみると、ろうそくを耳に置いて燃やしてリラックス~(^-^☆彡 

的な感じ?
字面だけ見るとなかなか恐ろしい感じですが、実際の画像を見てもなかなか衝撃的です(*_*;

耳ろうそく.png

こんな感じ。

(モグラくんの下半身がよくわからないので、布団をかけるという誤魔化しスタイル。耳の位置もあっているのかわからん...)


『耳垢がごっそり取れる!』というコメントとともに指の先ほどもありそうな耳垢がろうそくの中に出てきている画像も載っています。


 

(それはろうそくの燃えカスじゃ?)

と普通に思ってしまいましたが、まぁ害がなくてリラックスできるならしてもいいんじゃないでしょうか。
サイトによって『耳垢』と言ったり、『耳垢を取るためのものじゃない』と言ったりバラバラだし。


先述したように耳垢は自然と出ていくものなので、どう考えても全員からそんな大きな耳垢が取れるとは思いませんが(^-^;

 


まぁいづれにしても耳の中に変なものを入れないようにしましょう!

そしてつまようじで耳かきは絶対ダメ!



パチンコ玉を入れて取れなくなった!なんて人もいましたが、もちろんダメ!
私の身内ですけどね!!

三学期も始まり、寒い日が続いています。天気予報では土曜日に雪マークが!!
体調にも転倒にもお気を付けください(+_+)



さて、題名の通り、抗生剤についてです。
久しぶりに真面目で長い文章になりますが、非常に大事なことなので、頑張って書いてみます。

抗生物質、抗生剤(抗菌薬)というのは細菌を殺したり、増えないようにするお薬です。
つまり、細菌の感染症に使うわけです。

なので、細菌感染以外には抗生剤は意味がありません

例えば、一般的に言われる『風邪』の原因の8割以上はウィルス感染です。
なので抗生剤が必要なことはあまりありません。
でも細菌感染かどうか判断に困ったり、二次的に細菌感染を起こすことが心配で抗生剤が使われていることが多いようです。



・抗生剤の種類
ペニシリン系
セフェム系
マクロライド系
ニューキノロン系
カルバペネム系
マクロライド系
などなど様々な種類があります。

DSC_1157.JPG


例えば、小児の急性中耳炎を例にします。


日本耳科学会などが作成した『小児急性中耳炎診療ガイドライン』というものがあります。基本的な治療方針はどの医院でもこのガイドラインに従っている『はず』です。
検索すれば誰でも見ることができますので、興味のある方は是非ご覧ください。


そのなかでは急性中耳炎に対する抗生剤で一番に選択するべき薬は『アモキキシシリン』というペニシリン系の抗生剤となっています。
『ワイドシリン』『パセトシン』『サワシリン』などの商品名で販売されています。



ペニシリン系はもともと体重当たりの使用量が多く、小児でも体重が増えてくると粉薬の量が多くなり飲みにくいということがありますが、『ワイドシリン』は他の薬の1/2の量で良いので、使いやすいお薬です。味も結構美味しく、私は薄いラムネ味のように感じました。
widecillin.jpg
『ワイドシリン』はこんな感じのピンク色のお薬です。

私は研修医時代に感染症に非常に詳しい先生から『抗生剤を上手に使えるかどうかはペニシリンの重要性を勉強しているかどうか』という指導を受けたことがあります。
ペニシリンは100年近く前に発見された世界初の抗生剤ですが、現在でも使用方法をしっかりと考えれば非常に効果的なお薬です。
実際、様々な感染症でペニシリンは第一に選択すべき抗生剤とされています。



2番目に選択するお薬は
『アモキシシリン・クラブラン酸』『セフジトレンピボキシル』というお薬です。
『アモキキシシリン・クラブラン酸』とは、先述したペニシリン系の『アモキキシシリン』に耐性菌にも効くような物質を加えたお薬です。
『クラバモックス』という商品名になります。



 『セフジトレンピボキシル』は『メイアクト』という商品名のセフェム系抗生剤になります。
セフェム系の抗生剤は副作用も少なく、特に中耳炎の原因で多い肺炎球菌という菌に非常に良く効きます。
ただし、『ワイドシリン』もそうですが、『メイアクト』は1日3回内服が必要なお薬なので、保育園などに通っていてお昼のお薬が飲ませられない方には使いにくくなります。


kurabamo.jpg
ちなみに『クラバモックス』はこんな感じの包装で、中身は白い粉薬です。
味はイチゴ味っぽく、後味がわずかに苦いです。


メイアクト外見.jpg
『メイアクト』はオレンジっぽい色で、味はバナナ味でちょっと後味が続く感じがあります。
(味については完全に私の個人的な感想です(^-^;)

 


これらのお薬が効かない、もしくは重症の場合は『カルバペネム系』、『ニューキノロン系』の出番となります。
カルバペネム系は商品名『オラペネム』一般名テビペネムピボキシルです。
ニューキノロン系は商品名『オゼックス』一般名トスフロキサシンです。

この2つのお薬は確かに良く効きます。効果も早いです。


両方とも味も美味しく、においも良いです。

orape.jpg
『オラペネム』は後味が若干苦いですが、


ozekkusu.jpg
『オゼックス』は後味もすっきりです。

(繰り返しますが、味は完全に私の感想です(*_*;;)
 


では『オラペネム』『オゼックス』を最初からどんどん使えばいいじゃないかという話になるのですが、ここででてくるのが、『耐性菌』というものです。

また後々詳しく書こうと思いますが、抗生剤を使いすぎると抗生剤に抵抗する菌が生まれてきます。実際に昔使っていた特にセフェム系の抗生剤で最近の中耳炎にはほとんど効かないというお薬も結構あります。


 

つまり、『オラペネム』、『オゼックス』に対する耐性菌が生まれてきて、効かなくなってしまうと次に使うお薬がなくなってしまうのです。


なので、これらの薬はなるべく使いません。中耳炎で使うときには鼓膜切開が必要な状態のことが多いです。
製薬会社もオラペネムでは『第一選択薬ではなく、重症感染症に限定して使用』という位置づけをしています。


こういったお薬が漫然と使われていないか、一度お薬手帳を見直してもいいかもしれません。

強いお薬を使えば効き目は早いし、すぐ楽になりますが、その後のことを考えてお薬は使わなくてはなりません。
特に、これから先が長いお子さんなら尚更です。

(これは本来、我々医療従事者が気を付けなくてはならないのですが、、、)



最近抗生剤の使われ方について色々考えることがあって書き始めましたが、やっぱり1回では書ききれない、、、というわけで何回かに分けて書いていきます。

これからも副鼻腔炎に使用する抗生剤や、細菌の種類や、耐性菌については書いてみようかと思います。

Posted:2016.11.29 | Category: 医療系のお話 耳

今月もあと2日になりました。
今年もあと1か月。本当に色々いろいろありました。
忘年会シーズンにも入り、バタバタしてしまう時期ですが、健康に過ごしましょう!

と、いうわけで
DSC_1164.JPG
(なんだか最近カメラが曇っているような、、、)

先週導入しました、新機材です!

こちらは『イオン浸透式鼓膜麻酔器』というものです。
簡単に言うと、鼓膜に麻酔するための機械で、中耳炎などで、鼓膜を切開する必要があるときに使用します。

鼓膜というものはちょっと触っただけでもかなり痛いものです。
局所麻酔液を耳の中にを入れて、この装置で約10分通電し、麻酔液を鼓膜表面と外耳道(耳の穴)に浸透させ、痛みを取ります。
その間動かないでいただくことが必要なので、小さなお子さんにはなかなか使えませんが、、、ほとんど痛みなく処置が可能になります。

今までも当院にはあったのですが、長年の酷使により先月あたりから調子が悪くなり、買い替えとなりました。
ちょうど新製品が発売になったばかりということで、いいタイミングでした!
(本当は壊れないのが一番なんですけどね)


☆(ボツ)イラスト原画第7弾☆彡
いろんな方から私の絵について、意見をいただいておりますが、懲りずに公開します。そろそろネタも切れてきました。

nomisugimo.png

これは『睡眠時無呼吸』について、飲みすぎ、たばこも注意ということで書いたのですが、個人的には非常に気に入っていたものです。
頭のネクタイがポイントですね。眠そうな目も『睡眠時無呼吸』に合っていて細かい仕事が光ります。

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