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耳の記事一覧
7月に入って既に猛暑かと思ったら明日は台風!?
個人的にも7月は慌ただしそうですが、体も鍛えつつバテずに頑張ります!
まず7月の予定をもう一度。
もう今週のことになりますが、7月6日(木)、7月7日(金)は耳鼻咽喉科臨床学会に出席の為、副院長不在となります。
いつものように診療自体は通常通り行っておりますので、どうぞお越し下さい。
さて、ちょっと前に新しい内視鏡を導入したことを書きました。
(⇒『新・電子内視鏡導入!!』)
そして先週、またまた新しい機材を導入しました。
『耳Cam』
つまり耳のカメラです。
鼓膜を細かく観察するには、基本的に『顕微鏡』を使わなくてはしっかり見えません。
なのでほとんどの耳鼻科ユニット(診察する台)にはこんな感じの顕微鏡がついています。
しかし、この顕微鏡では当然観察している耳鼻科の医者しか鼓膜は見えません。
子どもが耳を痛がって耳鼻科を受診し、『中耳炎ですね』と言われても、しばらくお薬を飲んで『だいぶ良くなっています』と言われても実際に耳がどうなっているか見えないと実感がわかないのではないでしょうか。
鼻とかのどならまだわかりやすいかもしれませんが(^-^;
これを使えばこんな感じでパソコンの画面に大きく鼓膜を映し出せます。
かなり画質も綺麗で、すでに何人かこれを使って説明しましたが、かなり好評です(*^^)v
診察には別に必須じゃないんですけど、画像は電子カルテ上に保存できるので、時系列で並べて比較できるので、その点では非常に便利です。
やはり十分に納得していただいた上での治療というのが私の中で重要と考えていますので導入しました。
これを使ったからって検査料が増えるわけでもないですので、ご安心ください(*^^)
先週末3月18日(土)は夕方からまたまた勉強会。この時期は多いんです(^-^;
今回は参加者も結構多め。
その中での特別講演はTEESのお話でした。
TEESとはTranscanal Endoscpic Ear Surgeryの略です。
日本語訳すると経外耳道的内視鏡下耳科手術。
簡単に言うと耳の穴から内視鏡を入れて行う手術です。
そしてこの手術では世界的に高名であり、間違いなく日本の第一人者である先生が来られ講演されました。
分かりやすい説明と手術画像、そして今後の展望まで非常に勉強になりました。
耳の手術で最も多い病気は『真珠腫性中耳炎』です。
当院のHPでも紹介していますが、この病気は基本的に手術が必要です。
(『中耳炎』の項目の下の方にあります)
これまでの手術では耳の後ろをガバっと切って、乳突蜂巣と呼ばれる周りの骨をガリガリと削って中耳にアプローチしていました。
そして真珠腫の場合は再発の可能性が非常に高い病気であり、基本的に手術は2回行います。1回目の手術で病変を可能な限りすべて除去し、2回目の手術では再発があるか確認し、あれば再度摘出します。
2回目も耳の後ろをガバっと切らなくてはならないわけです。
しかし、TEESでは耳の穴から内視鏡を入れて手術をするので、もちろん傷が小さく痛みが少ないし、入院する期間も短くすみます。
さらに、内視鏡の発達によりものすごく小さな病変も鮮明にとらえることができますし、内視鏡は視野が広いのでこれまでの手術ではどうしても死角になっていた場所もしっかりと操作できるようになりました。
こんな感じの内視鏡を使って
こういう器具をいろいろ使って操作します。
この手術の構想自体は昔からあったそうですが、最近の内視鏡とモニター技術、そして手術器具の発達によって一気に進化しました。
(最近では手術モニターも4K画質なんてものがあります)
熊本でも3年位前から熊本大学病院で行われており、私も数十回は手術に入りましたが、病気の状態によっては手術時間も非常に短く、術後が明らかに楽です。
病変の範囲や位置によっては内視鏡だけで手術ができないこともあり、その時にはやはりガバっと耳の後ろを切ることもありますが、この手術は間違いなく今後世界中で広がっていくと思います。というより既にかなりの勢いで広がっており、日本でもこの手術をする病院はどんどん増えています。
色々な学会でどんどん成果が発表されていますし、毎年ハンズオンセミナーという実践型の勉強会が開かれ、どんどん参加者も増えているようです。
きっと近い将来にTEESは手術を行う耳鼻科医にとって必須の技術になると思います。
鼻の手術も昔は歯茎の部分をガバッと切って行っていましたが、内視鏡を用いることで飛躍的に発展しました。その流れがようやく耳の手術にもやってきました。
というわけで、次は鼻の手術についても書いてみます(^^)/
3月の予定の追加です。
3月24日(金) また他院の応援のため、副院長不在になります。
申し訳ございません。なんだか最近人気者で(^-^;
んで、題名の通り前回記事で点鼻薬のことを書きましたので、ついでに点耳薬のお話を。
点耳薬はその名の通り、耳の中に差す液体のお薬です。
目薬みたいな感じですね。
抗生剤が入ったものや、ステロイドが入ったものもあります。
特に、一番使用されているのはこの『タリビッド点耳薬』という抗生剤入りのものでしょう。
中耳炎に使用されていることがほとんどかと思います。
先に結論を言います。
『〇〇〇中耳炎に点耳薬は意味がありません』
先に結論を言っておいて引っ張っていくスタイルです(^^)
まず耳の構造はこんな感じです。
中耳炎が起こる場所は鼓膜の奥の中耳です。
そこに炎症を起こし、膿が溜まるのです。
鼓膜は3層構造になっており、外耳道側から皮膚層、固有層、粘膜層となっています。
ちなみに直径8~10mm程度で、厚さは0.1mm程度です。
鼓膜は外耳道を伝わってきた音によって振動し、奥の耳小骨という骨に音を伝えていく働きがあります。
そしてもう一つ重要な働きとして、外耳道からの異物を中耳に入れないという防御壁のような働きもあります。
お風呂にはいって耳に水が入っても鼓膜に穴が開いてなければ中耳まで入り込むことはありません。
鼓膜は完全防水仕様です。
そうじゃなきゃプールやお風呂に入る度に中耳炎になっちゃいます。
結論をちゃんと言います。
『鼓膜に穴が開いていない中耳炎に点耳薬は意味がありません。』
点耳薬が鼓膜にガードされて中耳まで到達しないのだから当然ですね。
点耳薬が効果を発揮するのは『外耳炎』『慢性中耳炎』『(鼓膜切開後などで鼓膜に穴が開いている)急性中耳炎』です。
点耳薬を意味もなく続けてしまうと、もちろん耐性菌は増えますし、耳の中にカビが生えることもあります(外耳道真菌症)。
ついでに、お子さんが中耳炎になり、痛がっている状態で点耳薬は無駄です。
痛がっているということは鼓膜に穴が開いておらず、鼓膜が腫れて痛みがあるということなので。
耳漏(耳だれ)がたくさん耳の中から出ているときもあまり意味がありません。
耳漏に邪魔されて点耳薬が奥まで入っていきません。
耳漏をしっかりと『耳鼻科で』掃除することの方が何十倍も重要です。(ご自宅ではしないでくださいね(^-^;)
だいぶ前に赤十字病院に勤めていたころ、救急や小児科の医師に『点耳薬はどういう時に使えばよいか?』などなど色々質問をもらい、講義までしたことを思い出しながら書いてみました。
懐かしいな~(遠い目)
花粉症も最盛期を迎えている今月の予定です。
3月8日(水) 他院での診療のため、副院長不在
3月20日(月) 春分の日 休日当番医 9:00~17:00
となっています。
相変わらず他院によく呼ばれております(^-^;
そして私の突発性難聴ですが、結論から言いますと、しっかり治ったようです。
時々ふと違和感があるような感じもありますが、無視しています(*´з`)
聴力検査もしっかり正常になりましたから、問題ないでしょう!
お薬もきっちり飲みきり終了となりました(^^)/
あとはまた悪くならないように祈るばかりです。
前にも書きましたが、自分の専門の病気になるとは、、、
特に低音障害型突発性難聴と言われる病気は突発性難聴の中でも1割弱程度。
突発性難聴の発症は10万人に60人程度(2012年調査)。
ちなみに耳鼻科医は日本に約9000人。
ということは、単純に計算すると突発性難聴になった耳鼻科医は日本にいても数人程度。
低音障害型突発性難聴となるとほとんどいないでしょう。
『日本で一番突発性難聴の気持ちが分かる耳鼻科医』とでも名乗ろうかな(^-^;
もう3月ですね!
やはり今年は花粉の量が多いためか、去年は全然花粉症の症状がなかった方も多く受診されています。
そしてアレルギーの検査も多くの方が希望され、どんどん検査しています。
やはりアレルギーの治療の基本は『敵を知ること』ですからね!
はてさて、発症から1週間経過した私の突発性難聴です。
昨日あたりから症状も明らかに改善してきました(^^)
注意して聞くとやはり若干違和感があり、耳鳴りも少しありますが不快感はかなり軽減。
で、聴力をチェック
おぉ、ほとんど治ってる!!
(是非前回の記事と比較してみて下さい)
でも聴力検査中に気づきましたが、やっぱり音が若干割れて聞こえるようで『ピー』という音が微妙に割れて『ビー』という感じです。
(わかりづらい表現ですが(^-^;)
いづれにしても順調に治ってくれているので、ステロイドは予定通り減らしていきます。
明日から10mgにして5mg→終了という流れです。
突発性難聴は早期発見、早期治療が最も重要です。
私はもちろん病気に対する知識を持っていて、発症して2日後から治療を開始できましたから、回復も早かったのでしょう。
それでも最初は『鼻が悪いからかな?』とか思って放置しちゃいました
証拠も残っちゃってます(^-^; ⇒ 前々々回の記事
突発性難聴は軽度だと耳の違和感や耳がつまった感じがする程度の症状のことがあります(実体験)。
そういう時は放置せず、必ず耳鼻科受診を!
前回⇒突発性難聴になった耳鼻科医日記
2月22日から右耳の突発性難聴を発症して2月24日から治療を開始。
非常に美味しくない薬をなんとか飲みつつ仕事もしております。
前回はメニレットゼリーのマズさを強調しちゃいましたが、プレドニゾロン(ステロイド)も結構苦い(*_*;
仕事中はそこまで問題ないですし、なんとなく慣れてきましたが、やはり不愉快( 一一)
一日中『ボ~』って感じの耳鳴りもなってるし、音楽を聴いていても明らかに低音が欠けている感じ。
ベース音が好きなのにな~(:_;)
そして本日2月27日朝起きるとなんだか耳鳴りが大きいような...
ん~聞こえもさらに悪くなってる?
で、簡単に聴力検査
2月24日 ← → 2月27日
(〇印がついた線が右耳の聴力で、線が下に下がっていると聴力が落ちているということです。
グラフの左側が低い音で、右にいくと高い音になります。)
おぉ、検査では良くなってる!?
不快感はむしろ増してるんだけどな~(^-^;
確かに同じ病気の患者さんでも症状が悪くなっても検査では良くなっているということはよくあるけど。
とりあえず検査結果は良くなってるので、一安心。
治療開始から早期に改善がみられると、その後もきっちり良くなってくれることが多いです。
明日からはステロイドの量も30⇒20mgに減量して経過をみます。
いや~しかしこの不快感は経験してみないとなかなかわかりませんな。
今度から患者さんに『もっと』親身になれるかもと前向きに考えています(^^)
前回も書いたようにこの病気はストレスなどが原因になる言われています。
病気のことを色々考えすぎても仕方ないので、気楽に考えています。
治療はしっかりしているので、なるようになるしかないですしね。
そんな性格なので実際にはストレスフルな自覚はないのですが、病気を言い訳に楽しいことがないかと探し中。
今日は美味しいものでも食べに行きたいもんです(^^♪
...お酒は控えめにしときますが(^-^;
前回のブログで2月22日に鼻耳の調子が悪くなったことを書きましたが、2月24日朝からなんだかまた右耳がつまった感じ。
鼻の調子はまずまずなのですが、明らかに耳の調子がおかしい。患者さんが途切れた時間に院長に耳の中を見てもらう。
診察上は異常なし。
念のため、聴力検査を行う。
結果...
...突発性難聴!?
そしてなんだかフラフラする感じもある。
聴力検査では低音域が特に落ちている。
念には念をいれてティンパノメトリー(鼓膜の動きを見る検査)も行う。
...異常なし。
診断名『低音障害型突発性難聴』
程度としては重症ではありませんが、実際経験してみるとかなり不便。
相手の声の聞き取りが悪いのはもちろんですが、自分の声の調整がしにくい!
治療のメインはステロイドの内服。
プレドニゾロンというお薬で1日30mgから徐々に減らしていく漸減療法という使い方です。
胃腸障害を起こすことがあるので、胃薬も忘れずに。
そしてこれ
メニレットゼリー
以前は『イソバイド』という液体のお薬を使っていましたが、非常に飲みにくいという評判でしたから、改良してゼリーになったのでしょう。
これは『利尿剤』です。
『メニエール病』という病気がありますが、この病気の原因は内耳の『浮腫』つまり水膨れです。その水膨れを利尿剤で抑えるために使います。
『低音障害型突発性難聴』もメニエールと同様の障害が考えられており、このお薬を使います。
とりあえず見た目はこんな感じ。
匂ってみる。
う~ん、なんだか黒糖のような感じ。悪くない。
...飲んでみる。
.........マズい!!!!!!!!!!!!!!!
苦みが強く、後味がめちゃ残る!
これを1日3回、、、(:_;)
でもきっちり治したいので頑張って飲み続けます(:_;)
しかし、この病気の原因でよく言われているのは、ストレスや心身の疲れ。
よく患者さんには『なるべくストレスのない生活を心がけて、食事・睡眠を十分に摂って、楽しいことはたくさんしましょう』などと説明しています。
あんまりストレスとか感じる性格でもないのですが、そんなに疲れ溜まってたのかなぁ(^-^;
診察中は患者さんが左側にくるので、右耳だったのは不幸中の幸い。
診察は通常通り行えますので、ご心配なく(^^)/
熊本市の耳鼻咽喉科 たかむら耳鼻咽喉科
〒862-0926 熊本市東区保田窪5丁目10-26 ■診療時間 ●月~火・木~金/9:00-12:30 14:30-18:30 ●水曜日/9:00-12:30 ●土曜日/9:00-12:30 14:00-15:00 ■休診日 日曜・祝祭日
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