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医療系のお話の記事一覧
Posted:2018.09.12 | Category: 医療系のお話
9月予定
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9月15日(土)、9月26日(水) 都合により副院長不在
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先日「花粉症を抑えるアイス」が発売されたとニュースで見ました。
調べてみると柑橘類に含まれる『ノビレチン』と乳製品に含まれる『β-ラクトグロビン』を摂取するとアレルギー症状が改善され、同時摂取によって相乗効果も期待できるとのこと。
みかんとヨーグルトの風味ですっきりした味わいだそうです。
うん。美味しそう(^^)
これで花粉症の症状がちゃんと抑えられるならお薬の苦手なお子さんには良いかもしれません。
アイスだけでなく、ジュースやゼリーなんかもあるようなので、寒い季節までアイスを食べなくてもよさそう(^^;)
花粉症(アレルギー)を抑えると宣伝されている食べ物というのは色々発売されてます。
ヨーグルトは有名かと思いますが、花粉アメや花粉グミ、色んな種類のお茶もあります。
花粉アメには『100%天然花粉』と宣伝文句がついているものもありますが、じゃあ『人工花粉』ってあるのかな?っと思って調べたら、あるんですね『人工花粉』って(^^;)
こういった食べ物以外にもアロマテラピーや鍼、気功なんてのも『花粉症に効果あり!』と宣伝されているところもあるようです。
さて、ここからが本題。
こういった花粉症対策は本当に効果があるのでしょうか?
厚生労働省のホームページにこんなページがあります。
『花粉症の民間医療について』
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/okamoto.html
書かれているのは千葉大学の耳鼻咽喉科教授です。
結構長いので、簡単に書きますと...
・花粉症に対する民間医療は色々あるけど、科学的に効果が証明されているものはほとんどない。中には安全性に問題があるものも。
・漢方薬や鼻スチームは有効率が40%くらいあったけど、概ね有効率が低い。
・プラセボ(偽薬)と比べても有効とは言い難い。
・最近は医療機関で処方できるお薬も副作用が少ないものも増え、色んな選択肢があるので、まずは病院受診してね。
といった感じです。
私も民間医療を全て否定するわけではありません。
安全であり、コストが高過ぎず、患者さんが納得されて受けられるのは問題ないと思います。
花粉症に限らず、代替医療と呼ばれるものも含めて明らかに金儲けの為の酷い治療が行われていることもありますので、そこは注意していただきたいですが。
もちろん、受診していただければ有効率がもっともっと高い治療を提供できますけどね(@_@)
Posted:2018.09.04 | Category: 医療系のお話
9月予定
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9月15日(土)、9月26日(水) 都合により副院長不在
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先日、某サイトに『なぜ日本の病院は、患者をこんなに待たせて平気なのか』という記事が載っていました。
記事の内容は...
"なんで予約して受診しても1~2時間待たされるのか、そして2時間待たせておいて、診察の時間はたったの2~3分。少しでも文句を言えばモンスター扱い。病院はサービス業としての意識がなさすぎる。"
という感じです。
この記事について医療関係者がSNSなどで色々書いていますが、ほとんどが反発するような内容です。
"2分で済むような軽症なら大学病院なんか行く必要ない。"
"急患やどうしても時間がかかる患者さんがいるんだから仕方ない。"
"日本の医療制度は欧米と比べて恵まれ過ぎているから無駄な受診が多い"
という感じの意見が多かったです。
(もっと過激な意見もありましたが...)
幸い当院では現在長時間お待たせすることはほぼないのですが...
この問題はずっと以前から言われています。
ここからは私の意見。
待ち時間が長い病院があるのは事実。
私がこれまで勤めた病院でも時には3時間以上お待たせすることもありました。
特に悪性疾患など、どうしても診察時間が長くなってしまう患者さんや、すぐに検査や処置が必要な急患が多いと他の方をお待たせすることになってしまいます。
でも今どき待ち時間を減らすための努力をしていない病院なんてほとんどないと思います。
電子カルテ化や検査、事務作業の効率化等々。どこでもやってるのではないでしょうか。
それでも医療者側も朝から昼食を食べることもできずに夕方まで外来診療を行うことなんてザラです。
その後も入院患者さんの診察をしたり検査をしたりして気付けば夜だった...なんてことも日常茶飯事です。
なので、患者さん側にもある程度は理解してほしいんです。
医療者が身を粉にして働いてもどうしてもお待たせすることがあるんです。
ただし
こういった状況からか、医療者側が患者さんを待たせることに"慣れてしまっている"ということは否定できません。
2時間以上待たせた患者さんが診察室に入ってきて『お待たせしました』の一言もなく、逆にイライラしたように『早く座って』とか言っちゃう医師がいます。実際に何度も目にしました。
体調に何らかの問題があって受診して、長時間待たされ、さらに不躾な態度をとられて...これじゃ患者さんも批判のひとつもしたくなります。
自分が相手を待たせるのは平気な癖に、自分が待つとなるとすぐにイライラする医師は本当に多い。私が大っ嫌いなタイプです( 一一)
お互いの立場を少しずつ理解し合って、こういった意識を改善するだけでも、こういう問題は少しは改善するのではないでしょうか。
業務の効率化、かかりつけ医制度、軽症患者の大病院への受診制限なども既に行われていますが、それにも限界があります。
難しい問題で、医療者側も患者さん側も100%満足できるような方法というのはないかもしれません。
だからこそお互いにもう少し歩み寄ることが大事なのかな、と思います。
一昨日のことになりますが、勉強会参加。
正式名称は『第14回東部小児耳鼻咽喉科疾患研究会 第6回PENT研究会 合同研究会』
長っ!
以前にも参加した記事を書いたことがありますが、小児科と耳鼻咽喉科の合同の勉強会です。
今回は熊本赤十字病院小児科の先生が小児の救急疾患について講演されました。
病気の知識としては知っていることがほとんどでしたが、実際の症例をたくさん提示され、実際の臨床現場の現状と合わせて講演されたので、非常に興味深く勉強になりました(^^)
例によってひとつご紹介。
使用するお薬が変わってきたというお話。
このブログでもたびたび書いてますが、日赤でも抗生剤の使用量がかなり減っているそうです。
特に3世代セフェムと呼ばれるフロモックス、メイアクト、セフゾン、バナンなどのお薬はここ10数年で10分の1以下になっているそうです。
しかし、重症の感染症は減っている。これはワクチンが充実したことが大きいと思いますが、抗生剤が必要な場面というのは本当は多くないということでしょう。
また、以前はよく使用していたペリアクチン、ポララミン、アタラックスなどの第1世代抗ヒスタミン薬(アレルギーの薬)も減っているようです。
小児の風邪にお約束のようにアスベリン、ペリアクチン、ムコダインって感じで処方されることも多いこれらのお薬ですが、基本的に古いアレルギーのお薬ですので、副作用として中枢神経抑制(眠気、集中力の低下など)が強く、また、熱性けいれんを誘発する可能性があります。
これも以前に一度書きましたね。
いずれにせよ、お薬なんて飲む必要がないなら飲まない方が良い。
その必要性をしっかり見極めるのは医師の努力です。
...頑張ります(^^)/
前回、補聴器の購入費用が医療費控除の対象となることについて書きました。
(2018年6月14日『補聴器と医療費控除』)
これについて、医師の間でも様々な意見があるようで。
『いままで認められてなかったのがおかしい』
『高齢化社会のなか、有難い制度』
といった歓迎意見が多いのですが
『診療情報提供書の費用がとれないのに、記載が煩雑過ぎる』
『補聴器相談医しか記載できないのはなぜ?』
なんていう意見もあるようです。
いずれにせよ、この制度の根本には日本の補聴器が今まであまりにも野放しにされてきたということがあります。
以前にも何度も書きましたが、日本は補聴器の満足度、使用率ともかなり低いです。
そして高額過ぎる補聴器が平然と販売されています。
(⇒2017年4月5日『補聴器トラブル』)
先日も補聴器をつくる前に聴力検査などを受けに来られた方がいらっしゃいました。
検査結果は加齢による中等度の難聴。普通の補聴器で十分対応できるレベルです。
どうやら補聴器販売店に先に耳鼻科で検査を受けるように言われたらしく、それは良いことなんですが...
『費用は片方で400000円、両方で800000円と言われました。』
...検査結果の前に補聴器の値段がわかってるってどういうこと(*_*;?
検査結果に関係なく高額の補聴器を売りつける気満々ですね。
はい、当院からちゃんとした販売店をご紹介致しました(-.-)
こんないい加減な補聴器販売が日本中で平然と行われているわけです。
そのために日本耳鼻咽喉科学会が国税庁やらと掛け合って、補聴器作成の前に耳鼻科を受診させるようにする仕組みを考え今回の医療費控除に結び付いたのでしょう。
私はこの制度に大賛成です。
ちなみに、補聴器相談医は熊本県に44名。
相談医になるには耳鼻科専門医が講習会を受ける必要がありますが、そんなに大変でもないです。
診療情報提供書を書くのもそんなに大変じゃないです(・_・;)
今回は是非たくさんの方に読んでいただきたい内容です。
平成30年度から補聴器の購入費用が医療費控除として認められるということが厚生労働省、財務省によって承認されました。
日本耳鼻咽喉科学会のHPに詳しい手順が載っていますので、大事なところを転載します。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
-
難聴患者は、まず補聴器相談医を受診し、必要な問診・検査を受ける。
-
補聴器相談医は「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」に必要な事項を記入し、患者に手渡す。
-
患者は補聴器販売店に行き、「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」を提出し、試用の後、補聴器を購入する。
-
患者は「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」の写しと補聴器の領収書を受け取り、当該年度の確定申告における医療費控除対象として申請し、保存する。(税務署から求めがあった場合は、これを提出する。)
(⇒日本耳鼻咽喉科学会『補聴器購入者が医療費控除を受けるために』
http://www.jibika.or.jp/members/iinkaikara/fukusi_koujyo.html)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ここに書いてある『補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)』というものは下のような用紙です。
こんな感じで、補聴器相談医が補聴器を作成する際に耳の中の状態や、留意事項などを記載し補聴器専門店などに情報を提供するためのものです。
2018年度版から赤線の部分が加わり、医療費控除を受けるにはここを補聴器相談医が記載することが必要となります。
補聴器購入費用はどうしてもある程度高額になってしまいますので、是非購入する際はこの制度を活用ください。
ただ、この制度も始まったばかりですので、控除がどこまで認められるかなどわからないところもあります。
国税局のサイトにも『補聴器が医師等による診療や治療を受けるために直接必要』、『一般に支出される水準を著しく超えない部分の金額に限り』など制限を設けた書き方になっています。
過剰な機能をたくさんつけて高額過ぎる補聴器などは認められないかもしれません。
補聴器のページでも書いてますが、補聴器をつくる前に耳の病気がないか、耳の中の形は問題ないか、など耳鼻科で診察を受けることをお勧めしています。
今回の制度ができて、ますます補聴器をつくる際はまず耳鼻科医(補聴器相談医)に相談することをお勧めします。
難聴が高度の場合は身体障害者認定されることもありますし、この場合は補助金も出ます。身体障害者の認定にも身体障害者福祉法認定医の診断が必要です。
国税局のサイトと熊本県の補聴器相談医のリストを下にリンクしておくますので、ご参照ください。
国税庁
『医療費を支払ったとき(医療費控除)』
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1120.htm
『補聴器の購入費用に係る医療費控除の取扱いについて』
http://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/shotoku/shinkoku/180416/index.htm
熊本県の補聴器相談医
http://www.jibika.or.jp/members/nintei/hochouki/meibo_pdf/43_kumamoto.pdf
Posted:2018.04.06 | Category: 医療系のお話
先日とあるニュースサイトで見た記事なんですが
『花粉症デビューの平均年齢は7.4歳』
アンケート調査のようですが、この結果、若いと思いますか?
花粉症も含めてアレルギー疾患の低年齢化は以前から問題になっており、当院でも2~3歳でアレルギーの検査をするとスギ花粉が陽性になることはそんなに珍しくありません。
鼻アレルギー診療ガイドラインによると子どもの花粉症は5~9歳で13.7%、10~19歳では31.4%となっています。
『風邪っぽい』という症状で受診すると花粉症だった、っていうのもよくあります。
特に注意が必要なのが、両親が花粉症の場合。
40%以上の確率で子どもも花粉症を発症したという調査もあります。
特にお母さんが花粉症の場合、発症しやすいようです。
この時期にお子さんがくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目の痒みなどで苦しそうという方は一度ご相談を(^^♪
『イムノキャップラピッド』というアレルギーの検査方法なら2~3歳でも痛がらずに20分で検査できます。
(イムノキャップラピッドの詳しい説明は⇒コチラ)
しかしこの『花粉症デビュー』って言葉、なんかいいですね(^-^;
しない方が良いデビューですけど。
入学式のシーズンですが、『高校デビュー前に花粉症デビューしちゃった』みたいにならないようにしっかり対策しましょう(^^)/
はい、ご覧の通り花粉症がピークを迎えております。
花粉症の治療は基本的に
・花粉を避ける
・薬を使う
・免疫療法
などが挙げられます。
しかしここ最近、『やってはいけない治療』をいままで受けていて、相談されることが続きました。
基本的には『ステロイドの使い過ぎ』です。
去年も同じ時期に一度書きました。
(⇒2017年3月10日の記事『ステロイドと花粉症』)
最初に書いておきますが、ステロイドを延々と使用しないといけないような花粉症の患者さんなんてほとんどいません。
ステロイドの投与方法はいろいろあるのですが、まずは『ステロイド筋注』。
この治療、いまだにやっている病院があるのが驚きなのです(・_・;)
調べてみると『花粉症のシーズンに一回注射すればOK』といったフレーズで結構宣伝してますね。
熊本でもどうやらやっている病院があるらしいです。
脂溶性ステロイド、特にケナコルトという薬剤を筋肉内に注射します。
ステロイドはアレルギーに対して非常に強い効果を持つのですが、同時に副作用の危険性もあります。
なにより、この投与方法だとジワジワと効果が続いてしまいます。
つまり、何か副作用が生じたとき、すぐに中止することができないわけですね。
ステロイドの副作用として有名なものは、易感染性(感染症にかかりやすくなる)、糖尿、高血圧、消化性潰瘍、月経異常、満月様顔貌などなどあります。
そして筋肉注射のときによく聞く副作用が『注射した部分の陥没』。これは何人も見たことがあります。
他に、『ステロイドの鼻粘膜注射』なんてのもあります。鼻の粘膜に直接注射するわけですが、失明したという報告があります。これも未だに行っている病院があるそうな...
こんな治療を受けるくらいならステロイドを内服したほうが良いわけですが、内服しすぎるのも問題です。
内服薬でよく使われているのが『セレスタミン』というお薬。
これはポララミン(アレルギーのお薬)とステロイドの合剤です。
ポララミンは古いアレルギーのお薬で、アレルギーにももちろん効くのですが、古いお薬で非常に眠気も強い。
これを花粉症のシーズンに1~2か月連続で処方されていた方がいました。
眠気も強いのに、我慢して使用していたそうです。
ついでに言うと、ポララミンを延々と内服していた方もいました。
やはり眠気が強いのを我慢していたとのことです。
今シーズンは普通のお薬に変更しましたが、眠気もなく全然問題ありませんでした(・_・;)
いずれの投与方法にしろ、ステロイドは必要性がなければ長期的に使用すべき薬ではありません。
花粉症は普通に治療しましょう(^^)
熊本市の耳鼻咽喉科 たかむら耳鼻咽喉科
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