たかむら耳鼻咽喉科

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医療系のお話の記事一覧

Posted:2017.10.18 | Category: お薬の話 医療系のお話

その中で前回カロナール(アセトアミノフェン)について簡単に書きました。
その続きで(^^)


解熱鎮痛剤でカロナールと同様に有名なのがロキソニン(ロキソプロフェン)です。



ロキソニンは『ロキソニンS』という名前で薬局でも販売されCMもたくさんやってたのでさらにご存知の方も多いでしょう。
NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)と呼ばれるお薬の一種です。
効果としてはカロナールと同様に『痛み止め』と『熱さまし』の両方を兼ね備えています。



解熱鎮痛剤には他にもたくさん種類があるのですが、この2種類でかなりシェアを占めていると思われます。
(某医療系サイトの医師向けアンケートではこの2つで8割以上を占めていました)



それぞれの長所、短所をあげると。

カロナール
長所
小児に使用できる。
妊娠中に使用できる。
インフルエンザに使用できる

短所
やや鎮痛効果が劣る
肝機能障害


ロキソニン
長所
鎮痛効果が強い
抗炎症効果がある

短所
胃腸障害
腎機能障害
インフルエンザ脳症を発症するリスクが上がる可能性がある



こうやって比較すると、カロナールの方が優しいお薬で、ロキソニンは強いお薬というイメージになるかと思います。



カロナールは普通に使うと鎮痛効果がイマイチです。
使い方は大人であれば200mgの錠剤を2錠(つまり400mg)という処方が一般的です。
しかし、この薬大人であれば1回300~1000mg、1日最大4000mgまで使用可なんです。
(ただし、1日1500mg以上使用するときは肝機能に注意しなくてはなりません)



流石に普通ののどの痛みや耳の痛みなどで1000mgを使うことはないですが、強い痛みに400mgでは少なすぎます。


対するロキソニンは普通に使う60mg1錠でも十分な効果があります。
二日酔いになりそうな時に内服するとすっきり起きられるというのは有名な話。
これがカロナールだと全然すっきりしません。
(ホントはこんな使い方しちゃダメ(^-^;)



そしてロキソニンには抗炎症作用があります。これが結構大きく、変形性関節症や肩関節周囲炎などの炎症を伴う痛みにもよく使用されます。
湿布薬もありますね。




前回も書きましたが、鎮痛剤は基本的に全身に効きます。
しかし使い分けは非常に重要。

というお話でした(^^)
(なんかオチが弱いな...)

Posted:2017.10.13 | Category: お薬の話 医療系のお話

カロナールという名前の薬を聞いたことがある方は多いと思います。
一般的はアセトアミノフェンという有名な解熱鎮痛剤です。



先月このアセトアミノフェンが品薄になるかも、という不吉なニュースが流れました。
原因は製造メーカーの製造過程で不正があったらしく、出荷停止になったからだそうです。
まったく...|д゚)



カロナールは解熱鎮痛剤として非常によく使われているお薬で、安全性が高く特にお子さんに対しては最も使われているお薬でしょう。


特にこれからインフルエンザが流行ってきたら使用量も多くなる時期なので、なんとか安定して供給してもらいたいとこです(*_*;




さて、この解熱鎮痛剤というお薬。
読んで字のごとく『熱さまし』と『痛み止め』両方の作用を持つお薬です。


なので、インフルエンザで熱が高い時に解熱のためにも使いますし、中耳炎で耳を痛がっている子どもにも使います。


時々、副鼻腔炎などで痛みが強い方に
『痛み止めも処方しておきましょうか?』
と聞くと

『えっ、鼻の痛み止めなんてあるんですか?』



と返事されることがありますが、鎮痛剤は基本的に全身に作用しますので、頭痛だろうが関節痛だろうが耳痛だろうが鼻痛だろうが効果があります。



このアセトアミノフェンは数年前から『アセリオ』という名前で注射薬も登場。
手術後の痛み止めとして、他の痛み止めが使えない方に安心して使えるということで結構重宝しました。



しかし、もちろん全ての薬には副作用があるのでメリットばかりではありません。



鎮痛剤にはたくさん種類がありますので、使い分けが大事。

カロナール、ロキソニン、ペンタジン、ボルタレン、セレコックス、ポンタール、トラムセット、オピオイド系(麻薬系)と言われるモルヒネやオキシコンチンなどなどなどホントにたくさん。




副作用も含めてお薬の使い分けなど、また次回にでも(^^)
とりあえず安定供給を祈るばかりです。

Posted:2017.10.10 | Category: こどもの病気 医療系のお話

今回は真面目な話題で(^-^;

最近流行っているとよく言われるRSウィルスについて。


RSウィルス=Respiratory Syncytial virus

Respiratoryは『呼吸の』という意味ですので、読んで字のごとく呼吸器系に感染するウィルスです。


1歳までに50%以上の子どもが感染します。
そしてほとんどの子どもが2歳までに一度は感染すると言われています。



2歳以上の子どもは感染しても鼻かぜ程度の鼻水、鼻づまり、咳くらい
の症状で終わってしまうことが多いです。

しかし、1歳未満の子ども、特に生後半年未満は重症化することがあり、注意が必要です。



『ゼーゼー』『ヒューヒュー』といった喘息のような音がしたり、顔色が悪い、呼吸が早いなどの症状があれば肺炎や気管支炎などを疑わなくてはなりません。
生後3か月未満の小さなお子さんの場合は、元気がなかったり、哺乳が悪かったりすると注意が必要です。




RSウィルスは当たり前ですが『ウィルス』なので抗生剤は効きません
RSウィルスに対する抗ウィルス薬もありません。
症状に合わせて対症療法を行うしかないので、解熱剤や去痰薬を処方するくらいです。




RSウィルスは簡易検査キットがあり、鼻水を採取するだけで検査できますが、以下の条件が保険適応です。
◎入院中
◎1歳未満
◎パリビズマブ製剤(シナジス)が適応される乳幼児


パリビズマブ製剤とはRSウィルスの重症化を防ぐことができるとされているお薬です。
早産児や先天性心疾患や肺疾患など、リスクの高い児に対して適応となっています。



検査は0歳児しか保険適応にならないわけですが、これは1歳以上になると重症化することが少なくなるので検査する必要性は減るということです。



検査で陽性になっても他のウィルスによる風邪と同様の治療を行うだけですので、治療方針には影響しませんし。積極的に診断をつける意義があまりありません。




ただ、RSウィルスの感染は結構な頻度で中耳炎を合併します
アデノやインフルエンザなどの他のウィルス疾患と比べてもその確率は高いと思います。


で、調べてみたところ、、、



2012年の論文を発見
症例数が24例と少なめですが


・2歳未満では、85%が中耳炎合併
・2歳以上では、25%が中耳炎合併


やはりかなり高率で中耳炎を合併するようです。
しかも結構重症の例が多く、鼓膜切開が必要なことも多い。



結論
RSウィルスはただの風邪のウィルスではありますが、小さなお子さんでは注意が必要です。
小さなお子さんがいるご家庭では、うつさないように気を付けてください(^-^)

Posted:2017.09.28 | Category: 医療系のお話

『顎関節症』という病名はよく聞くかと思います。

『口を開けるとき痛い』『口を開けるときにゴリゴリ音がする』『口が開けにくい』

イメージとしてこんな症状なのではないでしょうか?



しかし、実は意外と複雑な病気です。
以前は診断基準として


"顎関節や咀嚼筋等の疼痛、関節(雑)音、開口障害ないし顎運動異常を主要症候とし、類似の症候を呈する疾患を除外したもの"


という風なことが言われていました。


つまり上に書いたような症状があって他の病気がなければ『顎関節症』となるわけです。



だがしかし!


2013年に日本顎関節学会が発表した顎関節症の分類は

Ⅰ型 咀嚼筋痛障害
Ⅱ型 顎関節痛障害
Ⅲ型 顎関節円板障害
Ⅳ型 変形性顎関節症

という4つの型に分類されました。



さらに!



当たり前ですが4つそれぞれに診断基準が違います。
しかも結構細かいです(*_*)



もちろんそれぞれに検査も違いますし、治療方法も変わってきます。
共通している治療法は非ステロイド性消炎鎮痛剤(痛み止め)とスプリント治療(マウスピースのようなもの)くらいです。


顎関節症=咬み合わせが悪い⇒歯を削る


なんて治療は今は極力避けるべき治療とされています。




私自身も明らかに顎関節症で、時々痛みが強くなることがあります。
自分で診察するに、Ⅱ型です(^-^;


幸い痛み止めを使うほど痛みが強くなったことは今までないので、ほぼ無視していますが。
痛みがある時に硬い食べ物を避けるくらいです( 一一)




耳鼻科でも見ることが多い顎関節症。
正直、今回いくつか論文を読んで、知らなかった知識もありましたm(__)m



たいていは痛み止めと顎の安静、場合によっては筋弛緩薬などで治っちゃいますが、症状が強い時などは適切な歯科へ紹介させていただくこともあります。

Posted:2017.09.25 | Category: 医療系のお話

かなり久々の更新になっちゃいましたm(__)m

気付けば9月も最後の週になり、私もまた1つ年をとりました( 一一)


誕生日を喜ぶ年でもなくなりましたが(?)、友人達から祝ってもらい久々に結構酔っ払っていい気分でした(#^.^#)




といった雑談は置いといて、、、


最近読んだ医療雑誌からの話題で、題名の話。


アメリカで行われた『Choosing Wisely(賢い選択)』キャンペーンというものに各学会が賛同し、"推奨されない検査"をリストにしています。
それが世界的に広がっており、日本でも広がってきているそうです。



かなり膨大な数の検査がリストアップされていますが、例えば米国耳鼻咽喉科学会からは


・急性副鼻腔炎は軽症ならば画像検査は不要
・突発性難聴で頭部・脳のCT検査は不要


といったものが"推奨されない検査"とされています。
まぁ普通に行わない検査ですね。



世の中には副鼻腔炎の症状の患者さんに対してほとんどCT検査をして、誰にでも手術を勧めるような耳鼻科もありますが、それは完全に"推奨されない検査"であり、"推奨されない手術"です。
というよりひどい話です|д゚)



まぁ置いといて、そのほかいくつか例を挙げると


・PETやCTなどによる癌検診は控える
・単回の失神で脳のCTやMRI検査は不要
・重症ではない喘息や気管支炎で胸部X線検査は行わない
・前立腺がんのスクリーニングの為に安易にPSA検査をしない



などなどなど、たっくさんリストアップされています。
まぁ日本とアメリカとでは微妙に状況が違うと思いますが、1年ほど前に日本でも『Choosing Wisely Japan』という団体が発足しています。



医療費がどんどん増え続けているのはニュースなどでもよく取り上げられています。
無駄な検査を行わないことは医療費の削減に勿論貢献するのですが、検査による有害事象も減らすことができます。
無駄にX線検査やCT検査を行うことは放射線被ばくを増やし、患者さんにとって不利益を生みます。



ただし、検査が本当に必要かの見極めが難しいことってどうしてもあるんですよね~
なんも考えずに検査すれば楽なんでしょうけど。



いらない検査、いらない薬、いらない治療
どれも完全になくすのは本当に難しい話だとは思います( 一一)

Posted:2017.09.11 | Category: こどもの病気 医療系のお話

やはり今月からアレルギー性鼻炎の状態が悪くなる人が多いですね。


そこでアレルギー性鼻炎関連の最近発見した論文から。



台湾からの論文なのですが、小児のアレルギー性鼻炎が虫歯(う蝕)を起こす頻度と関連しているか調べています。



9000人以上の子どもを対象に調べたところ、結論はアレルギー性鼻炎持ちの子どもは虫歯で病院を受診する頻度も多く、アレルギー性鼻炎が虫歯の発生と関連していると考えられました。



この結果自体は予測できたもので、アレルギー性鼻炎があるとどうしても口呼吸が多くなってしまいます。それによって口の中が乾燥してしまうわけです。


唾液には口の中をきれいにする作用がありますので、唾液が減ると虫歯や歯周病になりやすくなります。



シェーグレン症候群という唾液が減ってしまう病気がありますが、その病気でも虫歯は代表的な症状のひとつです。



さらに口がずっと開いている状態になると、歯並び、嚙み合わせが悪くなりやすいとも言われます。小さな子どもが寝ている時に口呼吸していたり、ずっと口が開いているような状態には注意しましょう。



大人でも口呼吸は鼻呼吸と比べて前頭葉の酸素消費量が多くなり慢性的な疲労感や集中力の低下を来すとも言われます。



当院のホームページ内のアレルギー性鼻炎の箇所でも書いてますが、アレルギー性鼻炎によって作業効率が下がるなどの影響は非常に大きいのです。
(⇒アレルギー性鼻炎のページ




まぁ普通に考えてスポーツしたり勉強しているときに鼻がつまっているとパフォーマンスに影響しますよね(^-^;


大人も子どもも鼻づまりを甘く見ちゃダメ(*^^)

Posted:2017.09.08 | Category: こどもの病気 医療系のお話

日本耳鼻咽喉科学会の初の全国調査によって2015、2016年の2年間で"おたふくかぜ"の合併症で難聴になった人が少なくとも336人いることがわかったと発表されました。



"おたふくかぜ"と言えば典型的には"耳下腺"といって耳の前~下にある組織が腫れあがる病気です。
痛みや発熱が主な症状ですが、合併症として難聴の他、髄膜炎を起こすこともあります。



この難聴は"ムンプス難聴"とも言いますが、残念なことにほとんど治りません。しかも重度の難聴の割合が多く、その後の生活に大きな影響を及ぼします。

両側の重度難聴を起こすこともあり、その場合は有効な治療は人工内耳の埋め込みくらいしかありません。



おたふくかぜはムンプスウィルスという"ウィルス"が原因ですので、抗生剤を使っても意味がありませんし、自然に治るのを待つしかありません。


しかし、その予防法として"ワクチン"の接種があります。



現在日本ではおたふくかぜワクチンは任意接種となっています。つまり『受けたいならどうぞ』っていう感じ。
アメリカやヨーロッパを含め、日本以外の先進諸国ではほとんど定期接種です。もちろん患者数は日本と比べてめちゃ少ないと報告されています。



日本も以前はMMRワクチンといって麻疹、水痘、おたふくかぜのワクチンが定期接種で行われていました。しかし、髄膜炎の副作用を起こす頻度が高いということで任意接種になったわけですが、その結果30~40%しか予防接種を受けていません。



今回の報告では2年間で336人となっていますが、実際にはもっと多いと思われます。
小さな子どもの難聴は気付かれずに放置されることもあり、最終的に原因不明となることもあるし、もともと届け出が必要な病気でもありませんので。



日本では流行する年には100万人以上、少ない年でも40万人程度はおたふくかぜにかかっています。
難聴を起こす頻度については色々報告がありますが、概ね0.01%~0.1%という感じ。
年間100万人のおたふくかぜ患者さんがいれば、100人~1000人が重い難聴の合併症を起こすことになります。幅が広すぎてピンときませんが(^-^;




兎に角、日本耳鼻咽喉科学会の発表も結論としては

『先進国で定期接種でないのは日本だけだ、急に何も聞こえなくなって一生後遺症に苦しむ現実がある』

としてワクチン接種を勧めています。



一番はまたワクチンが定期接種になることが望ましいと思いますけどね(^^)

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