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医療系のお話の記事一覧
1月21日、2月4日と土曜の夕方から勉強会。
話題の中心は季節柄かどちらもアレルギー性鼻炎です。
当院でも行っている『舌下免疫療法』がやはり効果的というお話や、耳鼻科がかかわる難治性疾患として『好酸球性中耳炎』『好酸球性副鼻腔炎』そして最近よく話題になる『ANCA関連血管炎性中耳炎』などの講演もありました。
こういう場所は特になかなか学会などに参加できない開業医にとって新しい知識を吸収するために必要な場所ですが、毎回参加者も少ないし決まって同じメンバー。2月4日なんて10人ちょっとしかいなかったような...( 一一)
まぁ愚痴はおいといて。
昨年、新しいアレルギーのお薬が相次いで発売になりました。
『デザレックス』と『ビラノア』というお薬です。
どちらのお薬にも共通するのが『眠くならない』ということ。
通常、アレルギーに一番使用する『抗ヒスタミン薬』というものは副作用として眠気が強いことが知られています。これは簡単に言うと、お薬の成分が脳にも作用してしまうためです。
特に第一世代と呼ばれる古いお薬(ポララミン、レスタミン、アタラックスなど)は眠気が結構強いので、最近はそこまで使われることはありません。
第二世代の抗ヒスタミン薬(アレロック、ザイザル、タリオンなどなど)は眠気が少ないです。とは言ってもゼロではなく、人によっては眠気がくることもあり、添付文書には『車の運転に注意』という記載があります。
『車の運転に注意 』の記載がない薬としては『アレグラ(フェキソフェナジン)』がこれまでもありましたが、これで『ビラノア』『デザレックス』と選択肢が増えました。
『デザレックス』のメリットは眠くならないことと、いつ飲んでも大丈夫ということ。
『ビラノア』は食事の影響を受けるので、空腹時に飲む必要がありますが、即効性がありアレルギーを抑える力も強いようです。
まだ発売したばかりのお薬ですので、2週間分までしか処方できませんが。眠気があると困る運転することが多い職業の方などに良いのではないでしょうか。
すでに自分でも内服してみましたが、確かに眠くはなりませんでした。アレルギーの症状もちゃんと抑えられます。
(こういう時は自分がアレルギー性鼻炎だと便利(^-^;)
アレルギーのお薬はたくさんありますが、『鼻づまりが強い』『鼻水が多い』などの症状によって選びます。
そして点鼻薬を併用することも非常に有効です。
ちなみに、ドラッグストアでもアレルギーのお薬は売ってます。
正直、特に点鼻薬はおすすめしませんが、、、
その理由はまた今度(^^)/
インフルエンザどんどん流行っています!
ほとんどがA型ですが、B型の方もちょこっと。
そして両方のAB型もいらっしゃいました(*_*;
その中で気になることが。
昨日とある患者さんが、、、
『子供が〇〇耳鼻科でインフルエンザと言われたんですけど、まだ小さい(たしか1歳)からタミフルは出せないと言われて違う薬をだされたんですが、、、』
処方箋には思いっきり『抗生剤』
え~(・_・;)
厚生労働省は2016年11月24日、タミフル(オセルタミビルリン酸塩)のドライシロップ製剤について、新生児と乳児への用法用量を追加し保険適用の対象としました。
つまり0歳児でも保険適応で処方できます。
そして保険適応になる前からも状況によっては使用されてきました。
もちろんインフルエンザは重篤でなければ自分の免疫で治ってしまうもので、実際抗インフルエンザ薬はほぼ使わないという医師もいます。
...しかしなぜ抗生剤を出す
インフルエンザにはもちろん効果ないし副作用と耐性菌しか生み出さんわ!
...いや、処方箋料も生み出すな( 一一)
という感じでなんだか悲しい気持ちになってしまいました。
Posted:2017.01.23 | Category: 医療系のお話
今日はお熱で受診された方のほとんどがインフルエンザの状態です。
流行ってきてますね~(*_*;
先日の話ですが、
『えっ?耳鼻科でもインフルエンザ検査ってできるんですか?』
患者さんに言われてこちらもびっくりしました(*_*;
もちろんできますよ!
インフルエンザの検査って『痛い』っていうイメージありませんか?
鼻の奥をグリグリされる、あの検査です。
その方法について、ちょっとだけ
この道具、鼻用鑷子(びようせっし)といいます。
つまり、お鼻用のピンセットです。
この先の部分が、だいたい大人の鼻の深さと同じくらいになっています。
計ってみると、8cmほどです。
さてさて、インフルエンザの検査でグリグリする綿棒です。
(微妙にピントが合ってませんが(*_*;)
当院で使ってる柔らかいものです。
一般に使われている綿棒と違ってふにゃふにゃです。
検査の時はこの綿棒を鼻の一番奥の『上咽頭』まで入れ込んで粘液を採取します。
つまり、大人だと8㎝程度は綿棒を入れなくてはならないわけです。
もちろん子供だともっと浅くていいわけですが、『上咽頭』に綿棒が当たる手応えで深さは調整します。
ちなみに、鼻水で検査する方法もありますが、正確性に欠けるためあまり行っている病院は多くないようです。
ちゃんと綿棒を入れ込む検査と比べて半分程度しか感度がないという報告もあります。
綿棒を2~3cm入れただけだと採取されるのはやはり鼻水だけ。正確性が落ちるのは当然です。
つまり綿棒をちゃんと奥まで入れないと正確な結果が出ないわけです。
また、アレルギー性鼻炎がある方などは鼻の中が鼻水でいっぱいですので、その中に突っ込んでもやはり正確性に欠けます。
しっかり鼻を掃除してから検査をすることが必要なのです!
ちなみにお鼻の中ってこんな感じに入り組んでいます。
さらにアレルギー性鼻炎だとこんなに粘膜が腫れあがります。鼻水もいっぱいですね~。
(粘膜が水ぶくれのように腫れるのがアレルギー性鼻炎の特徴で、見た目と症状だけでほぼ診断できます。)
こんな中を鼻も見ずに綿棒突っ込んではいけません。鼻の粘膜なんてすぐに傷つきます。
そしてほとんどの人は『鼻中隔湾曲症』といって鼻の真ん中の仕切りが曲がっているので、広い方を選んで隙間に綿棒を入れ込んでいかなくちゃいけません。
ちゃんと見ながらやれば痛みも少ないし、鼻血がでることはまずありません。
ついでに、ちょっと前に聞いた話
『〇〇病院でインフルエンザの検査を受けたら鼻に綿棒を突っ込まれたまま待合室で10分以上待たされたんですが、、、』
いやいやいやいや、それはツラすぎるでしょ(・_・;)
周りから見られて恥ずかしいし...周りの患者さんもみんな同じようにされていたらしいですが...
そんな長い時間する必要はないし、異物を10分も突っ込まれてたら鼻水もドパドパ出てさらに正確性が落ちるのでは...
結論:インフルエンザ検査を痛くなく正確に受けるためには耳鼻科にどうぞ。
というちょっぴり偉そうなお話でした(^^)
『風邪と言われて他の病院で抗生剤をもらいました』
日々診察をしていて本当によく聞く言葉ですが、この言葉完全に矛盾していることがわかりますか?
風邪=ウィルスによる上気道感染症です。
抗生剤=細菌を倒すための薬です。
ウィルスと細菌は別物です。効くわけありません。前回説明したように、耐性菌を増やすだけです。
そして抗生剤による副作用の可能性を上げているだけです。
風邪を治すためのお薬は存在しません。
『風邪のお薬を作れたらノーベル賞もの』といった言い方をされるくらいです。
では風邪薬って?
多くはアセトアミノフェンやイブプロフェンなどの抗炎症剤(痛み止め、解熱剤)
それに鼻水を抑えるための抗ヒスタミン薬(アレルギーのお薬)
鼻づまりに効くというお薬には血管収縮薬なんかも入っているようです。
つまり症状を抑えているだけです。
風邪が治るのは人間の免疫力によるものです。
ちょっと話がそれますが、現在流行っている『インフルエンザ』。
言うまでもなく、インフルエンザ『ウィルス』が原因です。
『イナビル』、『リレンザ』、『タミフル』といった抗インフルエンザ薬はウィルスの増殖を防ぎ、症状が悪化しないようにする薬です。
(ラピアクタという点滴の抗インフルエンザ薬もありますが、お薬が飲めないほど重症の方にのみ使うお薬です。)
私は流石に見たことがないですが、世の中にはインフルエンザのお薬と抗生剤を必ずと言っていいほど一緒に処方する医療者がいるそうです。
明らかに細菌感染を合併している場合は同時に処方することもありますが、インフルエンザ全員に処方するのは明らかにやりすぎ。
感染の予防投与にしても本当に必要なのは、なんらかの病気で免疫力が低下して入院している方くらいでしょう。
『すべての薬には副作用がある』これは大事なことです。
副作用がゼロの薬は存在しませんので、無駄な薬は飲まないほうが健康的です。
特に抗生剤は副作用が多い部類のお薬です。
抗生剤を過度に頼るよりも、まずは自分の体には免疫力があることを思い出しましょう。
さて、3回連続で抗生剤について書いてきましたが、いかがだったでしょう。
ネットで検索すれば膨大な情報が得られるこの時代ですから、同じような内容を書かれているサイトもたくさんあり、二番煎じ、三番煎じになるのもわかっているのですが、受診された患者さんのお薬手帳を見ていて、『え~』っと思うことが多すぎて書き始めてみました。
何も考えずに最初から強いお薬ばかり使えば、治療は簡単です。考える必要がないわけですから。
効果も『一時的には』良いでしょう。
でも特にお子さんについては、長いこれからのことを考えてお薬は使わなくちゃ!
モグラVS細菌
...モグラって尻尾ありましたよね?
インフルエンザがどんどん増えてきていますが、今回も前回に引き続いて抗生剤の話です(*_*;
またまた今回も長い話ですよ~
でもお子さんが黄色い鼻水を垂らすことが多くて、何回も何回も病院にかかっている方は是非読んでください!
さて、今回のお話は日本鼻科学会がまとめた『急性副鼻腔炎診療ガイドライン』というものから主にデータを出しています。(なので若干古いのですが、、、)
こちらも検索すれば誰でも見ることができますので、興味のある方はご覧ください。
さてさて、『急性副鼻腔炎』(いわゆる蓄のう症です)という病気については当HPでも解説していますので、まずは是非こちらをご覧ください。
→『副鼻腔炎』ページ
さてさてさて、前置きの長い急性副鼻腔炎についてですが、特に小児の急性副鼻腔炎の原因となる細菌は以下のようなものです。
・肺炎球菌
・インフルエンザ菌(インフルエンザウィルスではないですよ)
・黄色ブドウ球菌
・モラキセラ・カタラーリス
前回、急性中耳炎について書きましたが、原因となる菌は同じものが多いです。
つまり使用する抗生剤もほとんど同じになります。
まず第一に使用すべき抗生剤はペニシリン系のアモキシシリン『ワイドシリン』、『パセトシン』、『サワシリン』。
効果がない場合や重症の時はセフェム系のセフジトレンピボキシル『メイアクト』やセフカペンピボキシル『フロモックス』など。
それでも効果がない場合、重症の場合に最終手段としてカルバペネム系『オラペネム』の出番です。
ちなみに前回もご紹介したニューキノロン系『オゼックス』という抗生剤も副鼻腔炎には有効ですが、小児に対してガイドラインの中では推奨されていません。
『小児において安易な使用は極力避けるべき』とされています。使うとしても重症の中耳炎を併発しているときなどでしょう。
そのほかに使う抗生剤として、マクロライド系のクラリスロマイシン『クラリシッド』、アジスロマイシン『ジスロマック』があります。
『クラリシッド』は肺炎球菌、インフルエンザ菌とも耐性を持っていることが多いのが現状です。よって、あまり使うことはないのですが、このお薬には粘膜を整え、痰を減らしたりする作用もあります。また、このお薬は基本的に菌を殺す(殺菌)ではなく、菌の増殖を抑えるお薬です(静菌)。そういった特徴を考えたうえで使用します。慢性副鼻腔炎やびまん性汎細気管支炎などで少量を長期間内服することもあります。
『ジスロマック』は1日、もしくは3日間のみの短期間高容量で投与するお薬で、副鼻腔炎にはかなり有効性があると報告されています。
さてさてさてさて、またもや長くなっていますが、肺炎球菌を例にして耐性菌のお話を。
肺炎球菌の中でも薬剤耐性によってさらに分類され
・PSSP(ペニシリン感性肺炎球菌)
・PISP(ペニシリン軽度耐性肺炎球菌)
・PRSP(ペニシリン耐性肺炎球菌)
となっています。こんなに細かく分類されるくらい耐性菌というのは大きな問題なんですね。
特に低年齢ほど耐性菌の割合が多く、5歳以下の副鼻腔炎で検出された肺炎球菌の7~8割(!!)がペニシリン耐性菌となっています。
なぜ耐性菌がそんなに多いのか、原因は『抗生剤の使い過ぎ』であり、また、中途半端な使用もよくありません。
細菌は抗生剤を使いすぎると進化し、その抗生剤がだんだん効かなくなっていきます。中途半端に抗生剤を使うと、抗生剤が効きにくい菌が生き残ってしまい、増殖します。それを繰り返すと完全に抗生剤が効かない菌の集団が出来上がってしまうわけです。
中途半端な抗生剤の使用、無駄な使用は菌をわざわざトレーニングしてあげているようなものです。
抗生剤の使い過ぎはよくないですが、使うときはきっちりと菌を退治してしまうことも重要!
(症状がおさまったからと言って、途中でお薬をやめないでくださいね(^-^;)
耐性菌は本当に大きな問題であり、特に有名なのがMRSA(メチシリン耐性ブドウ球菌)、や多剤耐性緑膿菌などで、ニュースでも集団感染が取り上げられたりします。
ちょっと前に日本でも『カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)』という菌が検出され話題となりました。『スーパー耐性菌』とも呼ばれ、有効な抗生剤がほぼ存在しないわけです。
『カルバペネム系』は効かなくなることがニュースになるくらい重要なお薬なわけですね。
私が総合病院に勤めていたころも『カルバペネム系』を使用するのは本当に生命にかかわるような肺炎などの重症感染症の時だけでした。
そんなお薬なのですが、『オラペネム』が出現したことで小児に簡単に使えちゃうようになったわけです。
(いや、素晴らしいお薬なんですけどね、使い方の問題です。)
そして、軽度の副鼻腔炎であれば抗生剤は必要ありません。
『急性副鼻腔炎診療ガイドライン』では軽症の副鼻腔炎では小児も成人も、まず抗生剤非投与で5日間経過観察をすることになっています。
(ちなみに急性中耳炎でも軽症の場合は抗生剤を使わずに3日経過観察です。)
そして『鼻処置を優先する』という文言が付け加えられています。
つまり軽症であれば鼻をしっかり掃除してあげるだけで治ることも多いのです。
というより副鼻腔炎発症の初期はウィルス感染が主とされていて、抗生剤使う意味がないとされています。
耳鼻科で鼻水を吸引する。自宅でも小児なら鼻吸い器を使って鼻水を吸ってあげる。それだけで十分なことも多いです。
子供に鼻をかむ練習も是非してあげてください。
なかなか上手にかめない時は連日鼻掃除に通っていただいても全く問題ありません。
また、アレルギー性鼻炎をお持ちの方は副鼻腔炎にもなりやすいですので、アレルギーの治療も重要です。
長々と呼んでいただいた方、有難うございます(^-^;
次回もう一回だけ、抗生剤関係のお話を。
風邪に抗生剤は使わないお話。さすがに最近では当然のお話ですが、やっぱりこの話は知っておいて頂きたいのです。
文章を短くまとめる才能が欲しい...
三学期も始まり、寒い日が続いています。天気予報では土曜日に雪マークが!!
体調にも転倒にもお気を付けください(+_+)
さて、題名の通り、抗生剤についてです。
久しぶりに真面目で長い文章になりますが、非常に大事なことなので、頑張って書いてみます。
抗生物質、抗生剤(抗菌薬)というのは細菌を殺したり、増えないようにするお薬です。
つまり、細菌の感染症に使うわけです。
なので、細菌感染以外には抗生剤は意味がありません。
例えば、一般的に言われる『風邪』の原因の8割以上はウィルス感染です。
なので抗生剤が必要なことはあまりありません。
でも細菌感染かどうか判断に困ったり、二次的に細菌感染を起こすことが心配で抗生剤が使われていることが多いようです。
・抗生剤の種類
ペニシリン系
セフェム系
マクロライド系
ニューキノロン系
カルバペネム系
マクロライド系
などなど様々な種類があります。
例えば、小児の急性中耳炎を例にします。
日本耳科学会などが作成した『小児急性中耳炎診療ガイドライン』というものがあります。基本的な治療方針はどの医院でもこのガイドラインに従っている『はず』です。
検索すれば誰でも見ることができますので、興味のある方は是非ご覧ください。
そのなかでは急性中耳炎に対する抗生剤で一番に選択するべき薬は『アモキキシシリン』というペニシリン系の抗生剤となっています。
『ワイドシリン』、『パセトシン』、『サワシリン』などの商品名で販売されています。
ペニシリン系はもともと体重当たりの使用量が多く、小児でも体重が増えてくると粉薬の量が多くなり飲みにくいということがありますが、『ワイドシリン』は他の薬の1/2の量で良いので、使いやすいお薬です。味も結構美味しく、私は薄いラムネ味のように感じました。
『ワイドシリン』はこんな感じのピンク色のお薬です。
私は研修医時代に感染症に非常に詳しい先生から『抗生剤を上手に使えるかどうかはペニシリンの重要性を勉強しているかどうか』という指導を受けたことがあります。
ペニシリンは100年近く前に発見された世界初の抗生剤ですが、現在でも使用方法をしっかりと考えれば非常に効果的なお薬です。
実際、様々な感染症でペニシリンは第一に選択すべき抗生剤とされています。
2番目に選択するお薬は
『アモキシシリン・クラブラン酸』と『セフジトレンピボキシル』というお薬です。
『アモキキシシリン・クラブラン酸』とは、先述したペニシリン系の『アモキキシシリン』に耐性菌にも効くような物質を加えたお薬です。
『クラバモックス』という商品名になります。
『セフジトレンピボキシル』は『メイアクト』という商品名のセフェム系抗生剤になります。
セフェム系の抗生剤は副作用も少なく、特に中耳炎の原因で多い肺炎球菌という菌に非常に良く効きます。
ただし、『ワイドシリン』もそうですが、『メイアクト』は1日3回内服が必要なお薬なので、保育園などに通っていてお昼のお薬が飲ませられない方には使いにくくなります。
ちなみに『クラバモックス』はこんな感じの包装で、中身は白い粉薬です。
味はイチゴ味っぽく、後味がわずかに苦いです。
『メイアクト』はオレンジっぽい色で、味はバナナ味でちょっと後味が続く感じがあります。
(味については完全に私の個人的な感想です(^-^;)
これらのお薬が効かない、もしくは重症の場合は『カルバペネム系』、『ニューキノロン系』の出番となります。
カルバペネム系は商品名『オラペネム』一般名テビペネムピボキシルです。
ニューキノロン系は商品名『オゼックス』一般名トスフロキサシンです。
この2つのお薬は確かに良く効きます。効果も早いです。
両方とも味も美味しく、においも良いです。
『オラペネム』は後味が若干苦いですが、
『オゼックス』は後味もすっきりです。
(繰り返しますが、味は完全に私の感想です(*_*;;)
では『オラペネム』『オゼックス』を最初からどんどん使えばいいじゃないかという話になるのですが、ここででてくるのが、『耐性菌』というものです。
また後々詳しく書こうと思いますが、抗生剤を使いすぎると抗生剤に抵抗する菌が生まれてきます。実際に昔使っていた特にセフェム系の抗生剤で最近の中耳炎にはほとんど効かないというお薬も結構あります。
つまり、『オラペネム』、『オゼックス』に対する耐性菌が生まれてきて、効かなくなってしまうと次に使うお薬がなくなってしまうのです。
なので、これらの薬はなるべく使いません。中耳炎で使うときには鼓膜切開が必要な状態のことが多いです。
製薬会社もオラペネムでは『第一選択薬ではなく、重症感染症に限定して使用』という位置づけをしています。
こういったお薬が漫然と使われていないか、一度お薬手帳を見直してもいいかもしれません。
強いお薬を使えば効き目は早いし、すぐ楽になりますが、その後のことを考えてお薬は使わなくてはなりません。
特に、これから先が長いお子さんなら尚更です。
(これは本来、我々医療従事者が気を付けなくてはならないのですが、、、)
最近抗生剤の使われ方について色々考えることがあって書き始めましたが、やっぱり1回では書ききれない、、、というわけで何回かに分けて書いていきます。
これからも副鼻腔炎に使用する抗生剤や、細菌の種類や、耐性菌については書いてみようかと思います。
今月もあと2日になりました。
今年もあと1か月。本当に色々いろいろありました。
忘年会シーズンにも入り、バタバタしてしまう時期ですが、健康に過ごしましょう!
と、いうわけで
(なんだか最近カメラが曇っているような、、、)
先週導入しました、新機材です!
こちらは『イオン浸透式鼓膜麻酔器』というものです。
簡単に言うと、鼓膜に麻酔するための機械で、中耳炎などで、鼓膜を切開する必要があるときに使用します。
鼓膜というものはちょっと触っただけでもかなり痛いものです。
局所麻酔液を耳の中にを入れて、この装置で約10分通電し、麻酔液を鼓膜表面と外耳道(耳の穴)に浸透させ、痛みを取ります。
その間動かないでいただくことが必要なので、小さなお子さんにはなかなか使えませんが、、、ほとんど痛みなく処置が可能になります。
今までも当院にはあったのですが、長年の酷使により先月あたりから調子が悪くなり、買い替えとなりました。
ちょうど新製品が発売になったばかりということで、いいタイミングでした!
(本当は壊れないのが一番なんですけどね)
☆(ボツ)イラスト原画第7弾☆彡
いろんな方から私の絵について、意見をいただいておりますが、懲りずに公開します。そろそろネタも切れてきました。
これは『睡眠時無呼吸』について、飲みすぎ、たばこも注意ということで書いたのですが、個人的には非常に気に入っていたものです。
頭のネクタイがポイントですね。眠そうな目も『睡眠時無呼吸』に合っていて細かい仕事が光ります。
熊本市の耳鼻咽喉科 たかむら耳鼻咽喉科
〒862-0926 熊本市東区保田窪5丁目10-26 ■診療時間 ●月~火・木~金/9:00-12:30 14:30-18:30 ●水曜日/9:00-12:30 ●土曜日/9:00-12:30 14:00-15:00 ■休診日 日曜・祝祭日
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