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何度も書きますが、今年の花粉はホントに猛威を振るってます(^-^;
さてさて、アレルギー性鼻炎に対して点鼻薬(鼻スプレー)は非常に有効です。
状態によっては飲み薬ではなく、点鼻薬だけで十分に症状もなく過ごすことができます。
ただし、以前に『市販の点鼻薬はおすすめしない』と書きました。
では、市販のものと病院で処方される点鼻薬の違いはなんでしょう?
病院で処方する点鼻薬は基本的に『ステロイド』が入ってます。
ステロイドについては前回の記事で詳しく書きました。
強いお薬で副作用が心配になる方もいらっしゃるかもしれませんが、ほとんど鼻の中だけで効果を発揮するので、全身的な副作用はほぼありませんし、効果も確実です。
最近処方する点鼻薬では『ナゾネックス』『アラミスト』『エリザス』といった種類があります。
点鼻薬は刺激があって苦手!という方も多いですが、刺激はなるべく抑えてあります。粉末状のエリザスは刺激がさらに少なく、液が垂れてきてお化粧が崩れたりすることもありませんので、女性に好評です。
刺激が少なすぎて使った感じがなくて嫌いという人もいますが(^-^;
一方、市販の点鼻薬にはほぼ『血管収縮薬』が入っています。
鼻の粘膜は血流が豊富ですので、血管を収縮させると一気に鼻が通ります。
これだけ書くととても良いお薬のようですが、問題なのは連続して使ってはいけないということです。
血管収縮薬なんて効果はせいぜい数時間です。効果が切れると血流が再開し元に戻っちゃいます。そして繰り返し使っていると『リバウンド』が起こります。つまり、逆に血管が拡張し鼻づまりが悪化します。延々と使い続けないといけないような『依存症状態』になってしまいます。
いちおう、注意書きで『1週間以上連続して使用しない』などと書いてあるようですが、1週間で収まるアレルギー性鼻炎って、あんまりありませんよね。
現在流行りだしているスギ花粉だって2月から4月くらいまで続きますし、ハウスダストアレルギーなら1年中続きます。
『鼻アレルギー診療ガイドライン』には血管収縮薬入りの点鼻薬は重症・最重症のアレルギー性鼻炎に対して『治療開始時の1~2週間に限って用いる』という位置づけになっています。
ただ、他のお薬で十分に抑えられるので、私自身は処方したこともありません。
と、いうわけで忙しくて病院に来れないという方も市販のお薬を使うなら短期間のみで。なるべくなら血管収縮薬が入っていないものを選びましょう。
そしてすでに依存症のように使用している方は一度ご相談ください(^^)/
まずはその点鼻薬を中止することから始めましょう!
これはアラミストという点鼻薬のサンプル品
花粉症最盛期を迎えておりますが、やはり今年は花粉が多いせいで症状も強いです!
毎年は市販のお薬で対応していた方も『今年は効かない!』と受診されるケースが増えております。
というわけで、私も最近まで使っていたステロイドと花粉症とからめたお話です。
ステロイドは耳鼻科の関係で言うと...
『耳が聞こえなくなった(突発性難聴など)』⇒ステロイド
『においがしない(嗅覚障害)』⇒ステロイド
『口内炎がひどい、繰り返す(難治性口腔咽頭潰瘍)』⇒ステロイド
『顔が動かしにくくなった(顔面神経麻痺)』⇒ステロイド
などなど、使うことは結構あります。
『ステロイド』というのは、副腎皮質ホルモンと呼ばれるものの1つです。
体の中の炎症を抑えたり免疫力を抑制したりする作用があります。
アレルギーを抑える作用も非常に強力です。
もちろん耳鼻科以外にもたくさん使われている非常に有用なお薬ですが、副作用もたくさんあります。
代表的なものとしては
・易感染性(免疫力を抑えるので、感染症にかかりやすくなる)
・糖尿病の悪化
・高血圧
・消化性潰瘍
など
そして長期的に使用すると
・骨粗鬆症
・白内障
・中心性肥満、満月様顔貌(ムーンフェイス)
・副腎不全
といった重篤な副作用が問題になってきます。
膠原病などの内科的疾患で使用するときはかなり長期間使用し続けることが多いですが、耳鼻科で使用するときは長くても1か月以内で終わることがほとんどなので、副作用が大きな問題になることは多くありません。
しかし長期間使用する場合はこまめに副作用のチェックが必要です。
ただ、例外として『セレスタミン』というお薬が耳鼻科でよく使われます。
このお薬は抗ヒスタミン薬(ポララミン)とステロイドの合剤です。
よってアレルギーに非常に良く効きます。ポララミンという古い抗ヒスタミン薬のせいで眠気も強いですが(^-^;
調べてみると、1966年発売。すでに50年以上使われ続けているお薬なので、効果は間違いないということですね。
ただ、少量ではありますが、ステロイドが入ったお薬ですので、長期間の使用は避けるべきです。
つまりセレスタミンは花粉症、アレルギー性鼻炎の治療においてはメインのお薬にはなりません。
ついでに言うとポララミンというお薬も第一世代と言われる抗ヒスタミン薬で、眠気の誘発や認知学習能力、集中力の低下に影響する薬剤です。
抗コリン作用と呼ばれる副作用(口が乾く、頻脈、尿閉)もありますので、アレルギー性鼻炎に対しては日本だけでなく、欧米のガイドラインでも『避けるべき薬剤』とされています。
他県から熊本に移ってきた耳鼻科医が『熊本に来て一番驚いたのは、セレスタミンを使いすぎていること』と言っていました。
ステロイドを過度に怖がる必要はありません。
特に点鼻薬や喘息で使う吸入薬にもほとんどステロイドが入っていますが、全身的な副作用の心配はいりません。
(ただし、点鼻薬にも長期的に使ってはいけないものがありますので、それは次回にでも)
ただ、アレルギー性鼻炎・花粉症でセレスタミンを何か月も使うようなことは明らかに良くありませんので、気を付けましょう。
いまは他にもたくさんいいお薬がありますからね~(^^)/
Posted:2017.03.07 | Category: お知らせ
本日ホームページリニューアルいたしました!
以前にご紹介した20分で結果が分かるアレルギー検査『イムノキャップラピッド』のページを作成。
そして職員募集のページも追加いたしました。
左下にはひっそりと作っていたFacebookページも埋め込んでます。
細かいお知らせなどはこちらに書き込んでいこうかと思います。
なんだかページ全体も彩りがでてきて賑やかになってきましたね~
モグラの増殖が止まりません(^^)
花粉症も最盛期を迎えている今月の予定です。
3月8日(水) 他院での診療のため、副院長不在
3月20日(月) 春分の日 休日当番医 9:00~17:00
となっています。
相変わらず他院によく呼ばれております(^-^;
そして私の突発性難聴ですが、結論から言いますと、しっかり治ったようです。
時々ふと違和感があるような感じもありますが、無視しています(*´з`)
聴力検査もしっかり正常になりましたから、問題ないでしょう!
お薬もきっちり飲みきり終了となりました(^^)/
あとはまた悪くならないように祈るばかりです。
前にも書きましたが、自分の専門の病気になるとは、、、
特に低音障害型突発性難聴と言われる病気は突発性難聴の中でも1割弱程度。
突発性難聴の発症は10万人に60人程度(2012年調査)。
ちなみに耳鼻科医は日本に約9000人。
ということは、単純に計算すると突発性難聴になった耳鼻科医は日本にいても数人程度。
低音障害型突発性難聴となるとほとんどいないでしょう。
『日本で一番突発性難聴の気持ちが分かる耳鼻科医』とでも名乗ろうかな(^-^;
もう3月ですね!
やはり今年は花粉の量が多いためか、去年は全然花粉症の症状がなかった方も多く受診されています。
そしてアレルギーの検査も多くの方が希望され、どんどん検査しています。
やはりアレルギーの治療の基本は『敵を知ること』ですからね!
はてさて、発症から1週間経過した私の突発性難聴です。
昨日あたりから症状も明らかに改善してきました(^^)
注意して聞くとやはり若干違和感があり、耳鳴りも少しありますが不快感はかなり軽減。
で、聴力をチェック
おぉ、ほとんど治ってる!!
(是非前回の記事と比較してみて下さい)
でも聴力検査中に気づきましたが、やっぱり音が若干割れて聞こえるようで『ピー』という音が微妙に割れて『ビー』という感じです。
(わかりづらい表現ですが(^-^;)
いづれにしても順調に治ってくれているので、ステロイドは予定通り減らしていきます。
明日から10mgにして5mg→終了という流れです。
突発性難聴は早期発見、早期治療が最も重要です。
私はもちろん病気に対する知識を持っていて、発症して2日後から治療を開始できましたから、回復も早かったのでしょう。
それでも最初は『鼻が悪いからかな?』とか思って放置しちゃいました
証拠も残っちゃってます(^-^; ⇒ 前々々回の記事
突発性難聴は軽度だと耳の違和感や耳がつまった感じがする程度の症状のことがあります(実体験)。
そういう時は放置せず、必ず耳鼻科受診を!
前回⇒突発性難聴になった耳鼻科医日記
2月22日から右耳の突発性難聴を発症して2月24日から治療を開始。
非常に美味しくない薬をなんとか飲みつつ仕事もしております。
前回はメニレットゼリーのマズさを強調しちゃいましたが、プレドニゾロン(ステロイド)も結構苦い(*_*;
仕事中はそこまで問題ないですし、なんとなく慣れてきましたが、やはり不愉快( 一一)
一日中『ボ~』って感じの耳鳴りもなってるし、音楽を聴いていても明らかに低音が欠けている感じ。
ベース音が好きなのにな~(:_;)
そして本日2月27日朝起きるとなんだか耳鳴りが大きいような...
ん~聞こえもさらに悪くなってる?
で、簡単に聴力検査
2月24日 ← → 2月27日
(〇印がついた線が右耳の聴力で、線が下に下がっていると聴力が落ちているということです。
グラフの左側が低い音で、右にいくと高い音になります。)
おぉ、検査では良くなってる!?
不快感はむしろ増してるんだけどな~(^-^;
確かに同じ病気の患者さんでも症状が悪くなっても検査では良くなっているということはよくあるけど。
とりあえず検査結果は良くなってるので、一安心。
治療開始から早期に改善がみられると、その後もきっちり良くなってくれることが多いです。
明日からはステロイドの量も30⇒20mgに減量して経過をみます。
いや~しかしこの不快感は経験してみないとなかなかわかりませんな。
今度から患者さんに『もっと』親身になれるかもと前向きに考えています(^^)
前回も書いたようにこの病気はストレスなどが原因になる言われています。
病気のことを色々考えすぎても仕方ないので、気楽に考えています。
治療はしっかりしているので、なるようになるしかないですしね。
そんな性格なので実際にはストレスフルな自覚はないのですが、病気を言い訳に楽しいことがないかと探し中。
今日は美味しいものでも食べに行きたいもんです(^^♪
...お酒は控えめにしときますが(^-^;
前回のブログで2月22日に鼻耳の調子が悪くなったことを書きましたが、2月24日朝からなんだかまた右耳がつまった感じ。
鼻の調子はまずまずなのですが、明らかに耳の調子がおかしい。患者さんが途切れた時間に院長に耳の中を見てもらう。
診察上は異常なし。
念のため、聴力検査を行う。
結果...
...突発性難聴!?
そしてなんだかフラフラする感じもある。
聴力検査では低音域が特に落ちている。
念には念をいれてティンパノメトリー(鼓膜の動きを見る検査)も行う。
...異常なし。
診断名『低音障害型突発性難聴』
程度としては重症ではありませんが、実際経験してみるとかなり不便。
相手の声の聞き取りが悪いのはもちろんですが、自分の声の調整がしにくい!
治療のメインはステロイドの内服。
プレドニゾロンというお薬で1日30mgから徐々に減らしていく漸減療法という使い方です。
胃腸障害を起こすことがあるので、胃薬も忘れずに。
そしてこれ
メニレットゼリー
以前は『イソバイド』という液体のお薬を使っていましたが、非常に飲みにくいという評判でしたから、改良してゼリーになったのでしょう。
これは『利尿剤』です。
『メニエール病』という病気がありますが、この病気の原因は内耳の『浮腫』つまり水膨れです。その水膨れを利尿剤で抑えるために使います。
『低音障害型突発性難聴』もメニエールと同様の障害が考えられており、このお薬を使います。
とりあえず見た目はこんな感じ。
匂ってみる。
う~ん、なんだか黒糖のような感じ。悪くない。
...飲んでみる。
.........マズい!!!!!!!!!!!!!!!
苦みが強く、後味がめちゃ残る!
これを1日3回、、、(:_;)
でもきっちり治したいので頑張って飲み続けます(:_;)
しかし、この病気の原因でよく言われているのは、ストレスや心身の疲れ。
よく患者さんには『なるべくストレスのない生活を心がけて、食事・睡眠を十分に摂って、楽しいことはたくさんしましょう』などと説明しています。
あんまりストレスとか感じる性格でもないのですが、そんなに疲れ溜まってたのかなぁ(^-^;
診察中は患者さんが左側にくるので、右耳だったのは不幸中の幸い。
診察は通常通り行えますので、ご心配なく(^^)/
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